2014 Fiscal Year Annual Research Report
海洋再生可能エネルギー利用のための洋上浮体VIM解析プログラム開発に関する研究
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25289312
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平林 紳一郎 東京大学, 新領域創成科学研究科, 講師 (90463877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 英之 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (00196859)
尾崎 雅彦 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (30529706)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 海洋エネルギー / 海洋資源 / 海洋工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では自由表面を有する自由表面を有する浮体構造物に発生する渦励起運動(Vortex-Induced Motion; VIM)を精度良く再現し、浮体運動と海水の流体運動との相互運動干渉を包括的に扱うことのできる新しい3次元流体―構造連成運動解析数値計算コードを開発し、動特性の把握が重要な海洋構造物の安定性、安全性の予測を行うことを目的としている。実機スケールに対応した高負荷数値計算への拡張を見据え、流体運動解析には格子ボルツマン法を適用する。また、6自由度運動が可能な浮体模型を用いてVIMを捉える水槽実験を実施し、開発した数値計算コードの検証を行う。 平成26年度は一様流中の係留円筒の運動計測、固定円筒周りの流れの可視化、固定円筒周りの流体力計測の3種類の水槽実験を実施した。まず回流水槽にて水面を貫通する円筒浮体をばねにより係留し、一様流中における共振時、非共振時の3次元運動計測を行った。次に固定円筒周りの流れを粒子画像計測法(Particle Image Velocimetry; PIV)により可視化し、円筒周りの流れのパターンや渦構造の解析を行った。さらに曳航水槽において円筒を固定したまま曳航し、一様流中の固定円筒に作用する流体力を計測し、現象の支配パラメータであるReynolds数、Froude数、喫水比が流体力に与える影響を定量化した。これらの実験結果を組み合わせることで、物体周りに発生する種々の流れや渦の構造が流体力に与える影響について考察を加えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は水槽実験を実施し、係留円筒の運動計測、固定円筒周りの流れの可視化および流体力計測を行った。係留円筒の運動計測において円筒の下端部および自由表面の存在が運動に大きな影響を及ぼすことが分かり、そのメカニズムを考察するために固定円筒周りの流れを可視化し、渦構造を解析した。その結果、円筒周りには複数の流れや渦のパターンが存在し、喫水を変えることでそのパターンが変化することが分かった。これらの流れ構造が運動に与える影響を定量化するため、固定円筒周りの流体力の計測を行った。Reynolds数、Froude数、喫水比の3つのパラメータへの依存性を定量化し、流れ解析の結果より定性的な説明付けを行った。以上、概ね研究計画に従って成果が上がっている。 物体運動に影響を与える複雑な流れ構造やその流体力への影響については理解が深まったが、さらに物体の運動が加わった際の流れ構造の変化など、相互作用の効果については今後の課題として残されている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は最終年度として、開発した数値計算コードと水槽実験の結果を比較し、計算コードの検証を行う。また、より現実的な問題への対応として、単独円筒ではなく、複数円筒を組み合わせた浮体模型について水槽実験および数値計算を実施し、物体間の渦干渉の効果について考察を加える。
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Causes of Carryover |
平成26年度は水槽実験関連の支出(計測機器、水槽使用料など)が多く、平成25年度の残額(746,961円)を充当することで補ったが、残額を使い切るまでには至らなかったため、575,164円の残額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度も水槽実験を実施予定であり、特に模型製作、水槽使用料関連の費用が当初見込みよりも高額となる可能性が高いため、平成26年度の残額を充当する。
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Research Products
(4 results)