2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25289319
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
経塚 雄策 九州大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (80177948)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 海生付着生物 / アカフジツボ / 潮流発電装置 / 実海域実験 / 水車模型実験 |
Research Abstract |
本研究の目的は、実用化が間近に迫っている潮流発電に及ぼす付着生物の影響を評価するために潮流速の大きな実海域における付着生物の付着状況について調査することと、それらが水車タービンのブレードに付着した場合に水車性能に及ぼす影響を調査することである。平成25年度の研究においては、長崎県平戸瀬戸の田平港の防波堤を借用して試験板を用いた付着生物実験を開始した。試験板としては、5種類の塗装を施したものと無塗装の塩ビ板5枚であり、無塗装板については、1か月毎、3か月毎、6か月毎、12か月毎に交換するものと2年間の全実験期間を通して交換しないもの、5種類とした。この装置を平成25年9月に設置して毎月1回陸揚げして、写真撮影および試験板の重量を計測している。また、同時に水温計測も行っている。平成25年10月から11月までの約ひと月間、設置位置の間近で超音波式多層流速計(ADCP)を用いて潮流観測も行った。この結果、この海域の付着生物の優占種はアカフジツボであることを確認した。また、9月には試験板にアカフジツボが付着したが、10月以降には新たなアカフジツボの付着は確認できなかった。このことは、海水の降温期には新たなアカフジツボがつかないこと、ただし、すでに付着したアカフジツボは降温期においても成長を続けることなど観察した。これらの研究成果の一部を第24回海洋工学シンポジウムにおいて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実海域実験を行うための場所が長崎県県北土木管理事務所および九十九島漁協田平支所からの協力により確保できたこと、試験板による付着生物実験法について日本エヌユーエスから有益なアドバイスにより当初の計画通り実施できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在実施中の試験板を用いた付着生物実験をあと2年間ほど継続することと、アカフジツボの付着による潮流発電装置への影響を評価のための回流水槽における模型実験の実施によって本研究目的を達成する。アカフジツボ模型については、3Dプリンターによって精度の高いスケールモデルを製作可能であると考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
未使用額として46,974円が生じたが、平成25年度の研究計画はほぼ達成されたので誤差範囲の少額と理解している。平成26年度も研究を継続するので、効果的に使用したいので繰り越すことにした。 平成26年度の研究発表旅費の一部として使用したい。
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Research Products
(3 results)