2013 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマ・触媒ハイブリッドシステムによる舶用ディーゼル排ガスの浄化
Project/Area Number |
25289321
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
江原 由泰 東京都市大学, 工学部, 教授 (40308028)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瑞慶覧 章朝 神奈川工科大学, 工学部, 准教授 (00601072)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 電気集じん / ディーゼル / 排ガス / プラズマ / 触媒 |
Research Abstract |
本研究の目的は舶用ディーゼルエンジンの排ガス処理技術として,高濃度な微粒子(PM)を高効率捕集し,そのPMを連続的に酸化燃焼させるセルフクリーン技術と一酸化窒素(NO)をプラズマによりNO2に酸化させ,スクラバーにより浄化する装置の開発である。PMの酸化燃焼とNOの酸化にはプラズマにより発生するオゾンと低温酸化触媒を用いたハイブリッドシステムを採用する。また, PMの再飛散現象を抑制するため,独自に開発した二重シリンダ型電気集じん装置(ホール型ESP)を採用し,スクラバーには海水を用いる。これらのシステムにより革新的で経済的なPM・NOx浄化処理技術を確立する。 本年度は,ホール型ESPにおけるイオン風と集じん率の関係や,ホール電極(パンチング接地電極)の口径および開口率と集じん率の関係を検討した。また,PMを酸化燃焼させるバリア放電(DBD)リアクタの検討も行った。さらに,集じんプロセスの3次元シミュレーション解析や海水スクラバーの最適化を行い以下のことが明らかとなった。 ① イオン風は孔径20mm,ギャップ長20mmの時が最も強く,集じん率も高くなった。② ホール型ESPでは孔径5mm, 開口率8.8%の条件が集じん率が高くなった。③ DBDリアクタでは,印加電圧の周波数を3kHz以上にすると集じん率が低下した。④ 3次元シミュレーション解析では,ホール径とキャップ長が等しい時,ホール部の電界が最も高くなった。 ⑤ 電界処理により海水のアルカリ化が可能となり,スクラバーの高効率化が図られた。 以上の成果は学術雑誌に掲載し,学会発表を行いった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
舶用ディーゼルエンジンから排ガス処理するシステムの要素技術として,PMを捕集するホール型ESPの集じんメカニズムを検討した。3次元シミュレーションにより,電極間の電位分布を解析し,電極位置とイオン風の関係を明らかにした。そして,最適電極構成の抽出を行い,モデル電極により集じん特性の検証も行った。また,DBDリアクタによるPM燃焼の注入電力特性および課電周波数の検討を行った。これらの要素技術を再検討し,実用化に向けたシステムの構築準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に得られた結果を検討し最適化したPM・NOx浄化処理システムを製作する。同時に触媒を担持させる誘電体の評価を行いPMおよびNOの酸化効率の向上を図る。また,集じんプロセスの3次元シミュレーションを継続して行い,高風速処理に対応するシステムの構造パラメータを抽出する。そして,PMに及ぼすガス流やイオン風,クーロン力の影響を,粒子挙動の可視化による粒子画像流速測定法(PIV解析)により解析し,最適な印加電圧や電極間隔,電流密度などの解析を行う。
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Research Products
(21 results)