2013 Fiscal Year Annual Research Report

タンク内遊動水影響を考慮した2船体動揺推定法に関する研究

Research Project

Project/Area Number	25289327
Research Category	Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
Research Institution	National Maritime Research Institute
Principal Investigator	湯川和浩独立行政法人海上技術安全研究所, その他部局等, 研究員 (80435776)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	藤原敏文独立行政法人海上技術安全研究所, その他部局等, 研究員 (10425754) 齊藤昌勝独立行政法人海上技術安全研究所, その他部局等, 研究員 (80359124) 佐藤宏独立行政法人海上技術安全研究所, その他部局等, 研究員 (70435775) 石田圭独立行政法人海上技術安全研究所, その他部局等, 研究員 (60636827)
Project Period (FY)	2013-04-01 – 2016-03-31
Keywords	海洋工学 / 船舶工学 / 船体動揺 / LNG移送 / 安全性評価
Research Abstract	天然ガスの需要増大とともに、LNGの受け入れ方法の一つとして、2船を横付けしてLNGを移送するShip-to-Ship（STS）荷役のニーズが増える可能性が高い。STS荷役時の安全性評価では2船体の相対動揺評価は必須であるが、特に大きなLNG貯蔵タンクを有する2船の係留時には、タンク内流動影響を考慮することにより、2船体の相対動揺の応答が考慮しない場合と比べて大きく異なることが考えられる。平成25年度は、海上技術安全研究所の海洋構造物試験水槽において、メンブレン型LNGタンクを想定した大型タンク3基を搭載(船首部2箇所と船尾部の1箇所に設置し、各タンクの内部水は半載状態)したLNG輸送船（以下、LNG船）の縮尺1/90模型を用い、単船での波浪中動揺試験を行った。その際、特に遊動水の挙動が大きくなり、船体の相対動揺に及ぼす影響が大きいと考えられる海象条件（波向きや波周期）を与え、船体動揺とともに各タンク内に設置する複数本の容量式波高計において時々刻々の水位変化も計測した。また、比較対象として固定ウエイトを搭載した場合についても同条件にて動揺計測を行い、タンク搭載時の結果と比較することで、タンク内遊動水が船体動揺に及ぼす影響を検討した。その結果、横波を受ける場合、波周期7.5秒でタンク内遊動水の運動と船体動揺が同調し、固定ウエイトの場合に比べてRollの応答が大きくなった。一方、タンク内遊動水により船体に及ぼす復原力の変化を考慮したパネル法に基づく数値計算により、同様な傾向が再現できるか検討を行った。水槽試験結果と数値計算結果を比較し、比較的良い一致を示していることを確認した。初年度は1隻での基本的な検討を実施した。次年度以降は2船がSide-by-Side係船した状態での検討を行う予定である。
Current Status of Research Progress	Current Status of Research Progress 2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned. Reason H25年度は、LNG船1隻を対象として船内タンクの遊動水が船体動揺に及ぼす影響について基本的な検討を実施した。概ね予定していた水槽試験と数値計算を実施することができたと考えている。
Strategy for Future Research Activity	平成26年度以降は、内部タンクを有するFLNG（Floating LNG、洋上LNG生産施設）とLNG船の2船体相対動揺と各タンク内の遊動水面との連成問題を研究対象とする。まず、2船体の相対動揺を評価するうえで重要となる、2船がSide-by-Side係船される場合に働く環境外力（波力及び波漂流力）を評価する。これまでに、海上技術安全研究所で研究開発を行ってきた、高次の面要素を扱う境界要素法に基づく2船間の流体力総合作用を考慮した外力評価プログラムを使用し、LNG船に対するFLNGの遮蔽影響を考慮した環境外力の推定を行う。次に2船体の最適係留・係船法について検討を行い、係留・係船したFLNG-LNG船を対象とした条件下でのタンク内遊動水影響を考慮した2船体相対動揺の推定手法について研究を行う。上記の2船体相対動揺の推定精度検証のため、海上技術安全研究所が所有する海洋構造物試験水槽において、縮尺模型を用いた水槽試験を実施し比較検討する。
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding	物品購入時の入札で価格競争を行うことで生じた端数。水槽試験を実施するため、模型船製作の一部に当てたい。