2014 Fiscal Year Annual Research Report
地中熱ポテンシャル評価手法の高度化と東北5地域における地中熱ポテンシャル評価
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25289332
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
内田 洋平 独立行政法人産業技術総合研究所, 再生可能エネギー研究センター, 研究チーム長 (90356577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 光 秋田大学, 工学資源学研究科, 教授 (80332526)
柴崎 直明 福島大学, 共生システム理工学類, 教授 (70400588)
井岡 聖一郎 弘前大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (40598520)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 地中熱 / 地下水流動・熱輸送解析 / 東北地域 / 地中熱ポテンシャル評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
東北5地域における水文地質データのコンパイルを実施した。福島県・会津盆地,山形県・山形盆地,宮城県・仙台平野,秋田県・秋田平野および青森県・津軽平野の5地域を研究対象地域として,既存の水文地質データの収集およびコンパイルを実施した。熱交換井が分布していない地域については,既存の観測井を用いて地下温度プロファイルの測定,水質分析のための採水を実施した。水質分析については,現地にて水温,pH,電気伝導度(以下EC)を測定した。また,現地で採水した地下水サンプルについては,弘前大学において主要溶存成分の分析をイオンクロマトグラフィで行った。 H26年度は,青森県・津軽平野における地中熱ポテンシャル評価に重点を置いて調査・研究を実施した。津軽平野は,地盤沈下の問題が存在せず観測井が設置されていないため,湧水地点の分布や平野内11か所で実施された熱応答試験(TRT)の結果を用いて,広域解析モデルの検証を行い, 津軽平野における有効熱伝導率の分布図を作成した。さらに,従来の地中熱ポテンシャル評価の手法をさらに発展させ,ヒートポンプ性能曲線および熱交換井モデルを用いて,熱交換量の分布図およびヒートポンプ性能(COP)の分布の推定を試みた。 地中熱ポテンシャル評価手法の高度化として,砂礫や砂層から構成され比較的地層が類似した地域において実施された数地点のTRT結果を解析し,少ないTRT実施地点からその地域の地盤の見かけ熱伝導率を精度よく容易に推定できる可能性について検討した。 福島県・会津盆地においては,既存のボーリング資料収集に加えて,地質標準ボーリング調査(130m)を実施,各地層の年代を決定し,地質構造解析を行った。これらの調査に基づいて作成された地質断面図を用いて,来年度は会津盆地における地下水流動・熱輸送解析を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は,当初の研究計画通りに実績を出すことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に従って,平成27年度は地中熱ポテンシャルマップの高度化および水文地質環境が地中熱利用に及ぼす影響の評価を実施する。
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Causes of Carryover |
研究計画当初では,観測井が設置されていない地域においては,観測用の井戸を掘削し,各種地下水調査を実施する予定であったが,予想以上に既存の井戸資料があったため,井戸の掘削が不要となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は,次年度使用額と合わせて熱応答試験を実施し,各種熱物性データを取得することにより,これまでに得られた地中熱ポテンシャルマップの高度化を目指す。
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