2013 Fiscal Year Annual Research Report
長磁力線ダイバータ配位におけるプラズマデタッチメント特性の解明
Project/Area Number |
25289337
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大野 哲靖 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60203890)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 核融合 / 非接触プラズマ / ダイバータ / 磁力線構造 / 中性粒子温度 |
Outline of Annual Research Achievements |
直線型ダイバータ模擬実験装置に設計・製作した簡易閉ダイバータモジュールを設置してリサイクリングによる中性ガス圧制御実験を行った。プラズマ密度を変化させることでリサイクリングにより,簡易閉ダイバータモジュール内の中性ガス圧の制御が可能であることを示した。一方,モジュール内では,非接触プラズマを生成するのに十分であると考えられる中性ガス圧においても、体積再結合に伴う高励起準位からの発光スペクトルは観測されず,非接触プラズマは生成されなかった。非接触プラズマが生成されなかった原因として、閉ダイバータ構造による中性粒子温度が上昇の影響が考えられる。 閉ダイバータ構造に伴う中性粒子温度変化を明らかにするために,リサイクリング過程の影響を簡易モデルとして取り込んだ三次元中性粒子輸送コード(DEGASコード)による中性粒子挙動の解析を行った。プラズマ密度上昇によるリサイクリング中性粒子の増加により,モジュール内の中性粒子密度と温度の上昇が確認された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年7-8月に行った予備実験の結果,当初予定の受動型のの拡大光学計測システムでは波長分解能が低く,中性ガス温度計測が困難であることが判明したため,計測システムの再検討を行う必要性が生じた。再検討の結果,能動的中性粒子温度計測法であるレーザー光源を用いた吸収分光システムの構築が必要なり,その検討時間と設計時間が必要となったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
非接触プラズマにおいては,静電プローブによる電子温度計測は異常性を示すことが明らかになっている。そのため,再結合に伴う発光スペクトル解析による電子温度計測に加えて,Nd:YAGレーザーを用いたトムソン散乱計測システムを整備する。迷光対策などに関しては,低温プラズマにおけるトムソン散乱計測で実績があるオランダDIFFER研究所のG.Temerman博士の協力を得て,トムソン散乱計測システムを完成させる。また,レーザー吸収分光システムを構築し,非接触プラズマ中の中性ガス温度計測を行う。
|
Causes of Carryover |
予備実験の結果,中性粒子温度計測の分光計測において,当初予定していた拡大光学計測システムでは波長分解能が低く,中性ガス温度計測が困難であることが判明したため,計測システムの再検討を行った。再検討の結果,能動的中性粒子温度計測法であるレーザー光源を用いた吸収分光システムの構築が必要となり,拡大光学計測システムの構築費用の執行を取りやめることにし,次年度にレーザー吸収分光システム構築のための,光学系,半導体レーザーの購入することにしたため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
レーザー吸収分光システムのために,レンズ,光ファイバー,半導体レーザー,光学架台などの機器の購入を行う。
|