2014 Fiscal Year Annual Research Report
全電源喪失時炉心溶融事故回避のための蒸気インジェクタによる静的炉心注水系の研究
Project/Area Number |
25289345
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
森 治嗣 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00611485)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂下 弘人 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00142696)
三輪 修一郎 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00705288)
阿部 豊 筑波大学, システム情報工学研究科(系), 教授 (10241720)
奈良林 直 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10419947)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 蒸気インジェクタ / 過酷事故 / 原子炉注水 / 全電源喪失 / 静的機器 / 高速噴流 / 気液二相流 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.高圧用蒸気インジェクタ作動試験と数値解析 (1)高圧蒸気用蒸気インジェクタ(SI)作動試験(北海道大学)については、増強した高圧蒸気供給源及びSI本体並びに計測系、給水ポンプ等の付帯設備からなる試験装置を用い作動試験を実施した。SIの起動及び安定作と作動限界等に関わるデータを取得し、これによりSIの作動に関する最適化を検討した。実験は中心水噴流型SIを用いて0.2~0.6MPaの範囲でのSI作動特性や最大吐出圧力について実験し評価を行い、SI吐出側下流に負荷をかけた状態でのSI作動限界試験をおこないデータの蓄積を図った。 (2)数値解析シミュレーション(北海道大学)の比較評価によるコード検証及び解析による最適化検討については、CFDコードによりSI内での凝縮現象に関わる理論及び構成式のレビュー結果を用い継続して検討を行った。 (3) 高圧蒸気用SIとパッシブな原子炉高圧注水システムを組み合わせたシステム作動試験(北海道大学)については、非常用復水器(IC)給水システム、および重力落下式炉心注水システム(GDCS)模擬方法を検討し、最終年度に向けて設備改良を行っている。 2.高圧蒸気用蒸気インジェクタ可視化データおよび詳細な熱水力状態のデータ取得 高圧蒸気用SI可視化データおよび詳細な熱水力状態のデータ取得(筑波大学)については、入口蒸気流量と入口水流量を変化させ作動可能範囲を判定した。ドレインからのオーバーフローがなく作動可能な条件の傾向としては流入する蒸気の量が多くなるほど,より多くの水を駆動することが可能である。SI は吐出噴流が液単相に近い状態において最高性能を発揮する.その際,ディフューザ部では高周期の圧力変動が生じ,吐出圧力を上昇させることで作動状態を維持していること等を明かにした。 学会発表は国内3件海外1件。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.高圧用蒸気インジェクタ作動試験と数値解析 (1)高圧蒸気用蒸気インジェクタ(SI)作動試験(北海道大学)については、蒸気供給源の増強(供給可能蒸気量の増加)を図り、安定した稼働が可能な実験状態でほぼ順調に実施している。 (2)数値解析シミュレーション(北海道大学)の比較評価によるコード検証及び解析による最適化検討については、CFDコードの適用例があまりない気液二相流で且つ高速噴流が対象であるが、STAR-CDの最新バージョンを適用し継続して検討を行った。 (3) 高圧蒸気用SIとパッシブな原子炉高圧注水システムを組み合わせたシステム作動試験(北海道大学)については、実機での作動条件を非常用復水器(IC)給水システム、および重力落下式炉心注水システム(GDCSS)模擬方法を検討した。最終年度に向けて設備改良準備をほぼ予定通り行っている。 2.高圧蒸気用蒸気インジェクタ可視化データおよび詳細な熱水力状態のデータ取得 高圧蒸気用SI可視化データおよび詳細な熱水力状態のデータ取得(筑波大学)については詳細な計測装置を適用し、学術的な面から作動状態が可能な範囲と理由の検討を、ほぼ予定通り実施している。
|
Strategy for Future Research Activity |
H26年度に引き続き、過酷事故時対応静的炉心注水システムとして既存炉および将来新設炉への適用を提言するため、以下の実験及び解析項目を実施する。 1.高圧用蒸気インジェクタ作動試験と数値解析 (1)高圧蒸気用蒸気インジェクタ作動試験(北海道大学) ・全電源喪失時の炉心注水システムとして作動させる検証模擬試験 ・非常用復水器プール冷却水補給システムの検証模擬試験・重力落下式炉心注水システム(GDCS)との組み合わせた炉心注水システムとしての作動模擬試験 (2)数値解析シミュレーション(北海道大学) ・CFDコードによる蒸気インジェクタ内での凝縮現象に関わる理論及び構成式検討 ・解析による作動範囲の検討 2.高圧蒸気用蒸気インジェクタ可視化データおよび詳細な熱水力状態のデータ取得。高圧蒸気用蒸気インジェクタの可視化データおよび詳細な熱水力状態のデータ取得(筑波大学)については、学術的な観点から継続して実施する。・作動可能範囲について、学術的な観点から蒸気流量と入口水流量、ドレインからのオーバーフロー等の面から検討 ・ 最高性能を発揮する吐出噴流状態を、及びディフューザ部での圧力変動現象の面から詳細な検討。また学会発表を積極的に実施する(国内3件、海外1~2件を予定)。
|
Remarks |
|
Research Products
(5 results)