2013 Fiscal Year Annual Research Report
過酷事故評価のためのサプレッションチャンバー温度成層化及び成層化破壊現象解明
Project/Area Number |
25289350
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡本 孝司 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80204030)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ERKAN Nejdet 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00513532)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 原子力エネルギー / 熱工学 / 流体工学 |
Research Abstract |
福島第一原子力発電所の事故時挙動は、様々な機関による評価が行われているが不明点も多い。特に2号機や3号機に置いては、サプレッションチャンバー(SC)内の温度成層化などが取りざたされている。このなかでも、2号機では炉心側の安全弁(SRV)を開いた後に、SC圧力が下がるという物理的に不可思議な挙動は解明されていない。そこで、本研究では、実験及び解析により事故時SC内の挙動を評価し、事故時の格納容器挙動を明らかにする事により、原子力安全に大きく寄与しようとするものである。 サプレッションチャンバーを模擬した凝縮実験を行い、温度成層化現象を確認するとともに、シミュレーションによって模擬するための手法開発を進めた。具体的には、単相流のCFDコードを用いて、サプレッションチャンバーを模擬した体系を作成し、蒸気凝縮を簡易実験からモデル化して境界条件として入力する。具体的には、RCICノズルから熱エネルギーと、運動エネルギーを流量や温度などの関数として与える。特に運動量をモデル化し、実験における挙動の再現性に関する評価を実施する事が出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定通りにサプレッションチャンバーにおける凝縮モデルを作成し、実験と解析によって温度成層化現象を確認する事が出来た。当初予定通り、初年度としての実験と解析モデル構築が完成しており、予定通りの進捗である。 今後、温度成層化を破壊する事によって、圧力が減少する事などを含めた総合的な試験を進めて行く予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定通り、今後は、特に温度成層化破壊現象に着目し、安全弁の二相流挙動を詳細に評価する予定である。その後、温度成層化している状況の中に、運動量の大きな水を注入する事によって温度成層化破壊現象が発生するかどうかに着目した実験を行う。また、シミュレーションにおいても、飽和状態モデルを単相流CFDに組み込み、圧力と表面温度の関係についてモデル化を進め、実験の再現を試みる。 合わせて、東電などにおいて実施されている再評価における情報収集を進め、本研究成果を事象解明につなげていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初予定より研究員の雇用期間が短くなったため、人件費に余裕が出た。 研究員の雇用に用いるとともに、実験結果による追加実験のための消耗品に利用する予定
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