2013 Fiscal Year Annual Research Report
原子力発電所事故により降下した放射性核種の易動性化学状態生成と環境挙動の解明
Project/Area Number |
25289355
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
大貫 敏彦 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 先端基礎研究センター, 上級研究主席 (20354904)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
香西 直文 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 先端基礎研究センター, 研究主幹 (80354877)
坂本 文徳 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 先端基礎研究センター, 研究副主幹 (60391273)
山崎 信哉 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 先端基礎研究センター, 博士研究員 (70610301)
宇都宮 聡 九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (40452792)
鈴木 義規 東京工科大学, 応用生物学部, 助教 (20455281)
田中 万也 広島大学, サステナブル・ディベロップメント実践研究センター, 講師 (60377992)
難波 謙二 福島大学, 共生システム理工学類, 教授 (70242162)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 放射性Cs / 移行 / 福島第一発電所 |
Research Abstract |
平成25年度には、福島県内で採取した落ち葉(広葉樹林)を対象として、微生物を活性化するグルコースなどを添加して原位置に生息する微生物(原位置微生物)の活性化を促す実験、オートクレーブによる滅菌条件などでの実験を行い、菌の活性を促した場合には落ち葉中の放射性Cs濃度の低下を確認した。さらに、SECをICP-MSに直接接続して有機物と元素を同時に測定する方法の確認ができた。また、電子顕微鏡による筋細胞の観察を行いCsを検出するとともに、XAFSによる配位環境決定が可能であることを確認した。これらの結果から、植物及び森林リター層中の難移行性Csを可溶化する条件を決定するとともに、易動性化学種の物理的,化学的特性及びCsの配位構造決定法を確立できた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定した落ち葉(広葉樹林)を対象とした微生物を活性化を調べる試験、XAFS等による化学的特性を評価することができたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
25年度については概ね順調に進展した。落ち葉を対象とした予備実験により森林リター層中の難移行性Csを可溶化できる可能性が見いだされた。この結果から、微生物存在下でのCsの土壌中における移行性について重点的に評価することとした。そのため、土壌中に存在する鉱物などを添加した系におけるCsの挙動を解明する実験を行う。植物への移行挙動の解明実験としてポット試験を予定している。これらの結果から、易動性放射性Csの環境動態を明らかにする。
|
Research Products
(2 results)