2013 Fiscal Year Annual Research Report
低分子量GTP結合蛋白質RalおよびRalGAPの発癌・癌浸潤・転移における役割
Project/Area Number |
25290041
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
堀内 久徳 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (90291426)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | がん / 炎症 / Ral / GTP結合蛋白質 |
Research Abstract |
低分子量GTP結合蛋白質Ralが種々のがんの浸潤・転移に重要な働きをしている報告が相次いでいる。Ralの抑制性制御因子RalGAPは我々が世界に先駆けて同定し(J Biol Chem, 2009)、さらにRalGAPの発現低下が膀胱癌の浸潤・転移に密接に関わっていることを最近報告した(Oncogene, 2012)。本研究ではこれまでのRalおよびRalGAPに関する研究を発展させ浸潤性膀胱癌はじめ種々のがんにおけるRalGAPの発現低下の分子機構を明らかにする。またRalおよびRalGAPが制御する癌の浸潤・転移のメカニズムを明らかにする。さらに抗アポトーシスに重要なRalBに対して、RalAは形質転換に重要である。我々はRalA特異的に結合するキナーゼを見いだしており、それを同定する。このように本研究ではRalにフォーカスして研究を進め、がんの理解を深め、がん化・がん悪性化の診断・治療に貢献することを目的としている。 本年度はまずRalGAP発現状況を数種類の膀胱癌細胞株および前立腺癌細胞株にて評価し、RalGAP遺伝子のメチル化およびアセチル化の遺伝子発現における役割を解析した。現在、論文発表に向けさらに解析を進めている。RalAに結合するキナーゼを精製し、同定した。現在、そのキナーゼについて生化学的・細胞生物学的に解析を進めている。さらに、RalGAP遺伝子KOマウスではRalの活性化が亢進するが、そのマウスに炎症性腸炎や炎症性大腸癌を誘導し、Ralの炎症や癌の発症・進展への役割を解析している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概要に記載したように、研究は順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
現状の研究を続けるとともに、平成26年度にはRalGAPコンディショナルKOマウスの導入を目指し、特に個体レベルでの発癌・癌進展におけるRalおよびRalGAPの役割を明らかにしていく計画である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度に計上した備品費の内、浸透培養機149万円は購入したが、純水作成装置および大型冷蔵庫について本予算から購入しなかったので、次年度使用額が生じた。 本年度は、顕微鏡等の機器が必要となる見込みであり、それらに充てる計画である。
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