2015 Fiscal Year Annual Research Report
DNA障害応答とシグナル伝達をクロストークする新規分子機構の解明
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25290044
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
北川 雅敏 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50294971)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 雅記 九州大学, 生体防御医学研究所, 准教授 (60380531)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | シグナル伝達 / DNA障害応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
UVやハイドロキシウレア、ブレオマイシン等のDNA傷害性薬剤で細胞を処理すると、DNA傷害に伴いヒストンアセチルトランスフェラーゼ(HAT)の一種であるHBO1のSer50/Ser53がリン酸化されることを見いだした。リン酸化型Ser50/Ser53を特異的に認識するリン酸化抗体を作成し、以降のHBO1のリン酸化の解析に用いた。siRNAを用いたATM/ATRのノックダウンやATM/ATR阻害剤によりUV照射で誘導されるHBO1のSer50/Ser53のリン酸化が低下することから、その責任リン酸化酵素がATM/ATRであることを見いだした。また、Ser50/Ser53のリン酸化が障害部位へのHBO1のリクルートに関与していることが判明した。その後Ser50/Ser53がリン酸化されたHBO1はユビキチン化を受けること、この部位のアラニン変異体(S50/53A)はユビキチン化を受けないことがわかった。このSer50/Ser53がリン酸化を認識してHBO1をユビキチン化するユビキチンリガーゼはCUL4-DDB1/DDB2であることも見いだした。HBO1はUV照射後に分解が亢進するが、S50/53A変異体はユビキチン化されないため安定性も高いことが判明した。CUL4やDDB2をノックダウンするとHBO1のユビキチン化が抑制され、安定化した。DDB2はSer50/Ser53がリン酸化されたHBO1と結合することも判明した。S50/53A変異型HBO1を導入した細胞ではUVダメージによる細胞周期停止が起こりにくくなっていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の詳細な解析を通じてHBO1のリン酸化のHBO1のリン酸化部位の同定、リン酸化酵素の同定、ユビキチンリガーゼの同定、分解機構の解析に成功したことは十分評価できる。しかしながら、当初の計画の細胞周期制御やDNA損傷修復における機能解明については期間を延長しH28年度に行うことになったため、おおむね順調と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
期間延長したH28年度は、HBO1を介した細胞周期制御およびDNA損傷修復機構の研究を行う。HBO1のS50/53A変異体導入による細胞周期の変化、DNA損傷修復(非相同末端結合修復および相同組換え修復)における影響を解析して、さらに研究を進める予定である。
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Causes of Carryover |
申請者は研究計画に基づき、DNA傷害に伴うHATの翻訳後修飾を解析した。その結果、DNA傷害に伴いHATがリン酸化とクロマチン局在化を見いだした。一連の解析の中で、予想外にクロマチン局在化後にHATが分解されることが判明し、予定を変更して分解機構の解析を優先させた。よって、当初H27年度の予算に計上していた細胞周期制御とDNA損傷修復における機能解析が遅延し、H28年度に実行する必要が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
HBO1を介した細胞周期制御およびDNA損傷修復機構の研究を行う。HBO1のS50/53A変異体導入による細胞周期の変化、DNA損傷修復(非相同末端結合修復および相同組換え修復)における影響を解析して、さらに研究を進める予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] UV Damage-Induced Phosphorylation of HBO1 Triggers CRL4DDB2-Mediated Degradation to Regulate Cell proliferation.2016
Author(s)
2. Matsunuma, R., *Niida, H., Ohhata, T., Kitagawa, K., Sakai, S., Uchida, C., Shiotani, B., Matsumoto, M., Nakayama, K.I., Ogura, H., Shiiya, N. and Kitagawa, M.
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Journal Title
Mol. Cell. Biol.
Volume: 36
Pages: 394-406
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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