2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25290065
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坂東 優篤 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教 (90360627)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中戸 隆一郎 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教 (60583044)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | コヒーシン / アセチル化 / 姉妹染色体 / クロマチン / 転写制御 |
Research Abstract |
コヒーシンアセチル化酵素Esco1は、コヒーシンの制御サブユニットであるPds5A及びPds5Bと直接的に相互作用した。この相互作用には、Esco1のN末側の特定の領域が必要であることを見つけ、さらにはそのドメイン内の3アミノ酸置換によるPds5と結合しないEsco1変異タンパク質の作製に成功した。このEsco1変異タンパクで置換した細胞では、 コヒーシンのアセチル化と染色体上のコヒーシン結合領域への局在の減少、姉妹染色分体間接着の欠損を示し、この領域がPds5を介したEsco1の機能に重要であることを明らかにした。また、質量分析装置により、S期、分裂期にリン酸化されるEsco1の部位を同定した。その一つは、Pds5結合ドメイン内に存在し、AuroraBキナーゼによりリン酸化されることを明らかにした。この部位のリン酸化型変異Esco1は、Pds5との相互作用が弱くなることから、分裂期におけるEsco1の活性抑制に働く可能性が示唆された。一方で、Esco2は、Esco1のようにPds5との直接的な関係性についての結果は得られなかったが、Mcmとの相互作用やOrcやMcmとSmc3のアセチル化活性や姉妹染色体分体間の接着に対して遺伝的な相互作用を示した。 コヒーシンの転写機能解析の手がかりとして、遺伝子発現における転写開始から伸長への移行にコヒーシンが機能することを示す結果が得られた。同時に、転写制御を解析する手法の一つとして、細胞の核抽出物とプロモーターやエンハンサーを含むDNAを用いたin vitroにおける転写開始及び制御複合体の再構成系の構築を行った。この系を用いた解析から、アクチベーターに依存したコヒーシンローダー及びコヒーシンのDNA上の転写複合体への会合が見られ、転写との直接的な関係を示唆するような結果を得ることが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Esco1、Esco2及びHDAC8の解析の材料を揃え、Esco1についてはリン酸化修飾の部位、染色体局在領域の決定及び細胞機能の解析に成功している。さらに、転写における機能を解析する上で重要な実験系(細胞及びin vitro系)を確立に成功しており、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
様々な状況下における細胞応答に対して、Esco1、Esco2及びHdac8の修飾、染色体局在領域について解析を広げて行く。また、in vitro系を用いて、転写複合体や転写活性に対しての関係やコヒーシンのアセチル化に対する影響について解析を進める。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Design, synthesis, and biological activity of NCC149 derivatives as histone deacetylase 8-selective inhibitors.2014
Author(s)
Suzuki T, Muto N, Bando M, Itoh Y, Masaki A, Ri M, Ota Y, Nakagawa H, Iida S, Shirahige K, Miyata N.
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Journal Title
ChemMedChem.
Volume: 9
Pages: 657-664
DOI
Peer Reviewed
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