2014 Fiscal Year Annual Research Report
プリオンの異常化とアミロイドβとの相互作用のRNAアプタマーによる阻害の構造基盤
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25291013
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
片平 正人 京都大学, エネルギー理工学研究所, 教授 (70211844)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アミロイドβタンパク質 / 抗プリオン活性 / 分子認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
15Nで安定同位体標識したプリオンタンパク質を調製した。この15N HSQCスペクトルを測定したところ、良好なスペクトルが得られた。次にここに、有機溶媒に溶解したアミロイドβペプチドを添加して、プリオンタンパク質にケミカルシフトのパータベーションが観測されるかを調べた。なお有機溶媒のみを加える事も行い、これをコントロールとした。その結果パータベーションが生じている事が示唆されたが、より厳密なコントロールを取った上でのさらなる検証が必要だと判断した。 次にアルカリ条件下で水に溶解したアミロイドβペプチドを添加して、同様の実験を行った。添加に伴い、プリオンタンパク質の共鳴線の移動や強度の変化が観測された。添加に伴うpHの変化の効果やアミロイドβペプチドに混入している塩が添加される効果を、今後さらに慎重に見極める必要はあるものの、プリオンタンパク質とアミロイドβペプチドが相互作用する事を強く示唆する結果が得られた。添加後の混合液を透析して溶液条件を統一化する事によって、上記のアーティファクトの可能性を排除した結論が得られると考えられる。 プリオンタンパク質とアミロイドβペプチドの相互作用を強く阻害する事が期待されるRNA分子R24及びそのアナログに関する構造解析も進行させ、R24の立体構造に関する情報を得つつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プリオンタンパク質とアミロイドβペプチドの相互作用を、NMR法によって直接的に検出する系が確立された。また両者の相互作用を分断すると考えられるRNA分子の構造解析も進行した。
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Strategy for Future Research Activity |
プリオンタンパク質とアミロイドβペプチドの相互作用を、我々が見出したRNA分子が阻害する事ができるのかを、今回確立した系を用いて直接的に検証する。また構造解析によって、この阻害効果の基盤を得る。
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Causes of Carryover |
アミロイドβペプチドを溶解する条件の探索に時間が掛かった為、プリオンタンパク質への添加実験を行う回数が限られた。結果的にアミロイドβペプチドを大量に購入する必要がなくなった為、購入代金が低く抑えられた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
26年度に適切な溶解条件を決定する事ができたので、27年度は翌年度分の研究費と合わせて大量のアミロイドβペプチドを購入して、相互作用の解析を精力的に行う。
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[Journal Article] Binding of an RNA aptamer and a partial peptide of a prion protein: Crucial importance of water entropy in molecular recognition2014
Author(s)
Hayashi, T., Oshima, H., Mashima, T., Nagata, T., Katahira, M. and Kinoshita, M.
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Journal Title
Nucleic Acids Res.
Volume: 42
Pages: 6861-6875
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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