2014 Fiscal Year Annual Research Report
CENP-TWSXを中心とした染色体分配装置再構成と分子機構解明
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25291018
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
西野 達哉 国立遺伝学研究所, 分子遺伝研究系, 助教 (50533155)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 染色体分配 / タンパク質複合体 / X線結晶構造解析 / 生化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は昨年度得られたCENP-SXとDNAの複合体結晶について結晶化条件改善、位相決定及び立体構造解析を行った。 まず結晶化およびクライオ条件を検討したところ、分解能が少し向上し、5.5オングストロームのデータを得ることができた。続いてこのデータに対して位相決定のため、CENP-SX複合体を用いて分子置換法を試したところ、CENP-SXのヘテロ二量体を一分子含むような解が得られた。この解において結晶学的な対称の位置にCENP-SX4量体が形成されることから概ね間違っていないと考えられる。結晶中の分子パッキングではCENP-SXの近傍に大きな空間があり、そこにはDNAが存在していると思われる。しかし電子密度は切れ切れでDNA骨格をモデルすることは困難であった。DNAが結晶中に存在していることは溶解した結晶に260nmの吸収極大を示す物質が存在することと結晶の偏光が強いことから間違いないと思われる。しかし結晶化に使用した49bpのDNAを結晶の非対称単位中にモデルするには空間が小さく結晶の非対称単位をまたいで存在している可能性も考えられる。 分子置換法以外の位相情報を得る目的でCENP-SXセレノメチオニン置換体、ブロモウリジンやヨードウリジンを含むDNAを作成し、結晶化を行った。結晶条件はネイティブのものと少し異なっていたが、同様な結晶を得た。しかしそれらの結晶のX線回折能は10オングストローム以下であった。 今後は別の位相情報を得る目的で、水銀などの重金属を試みること、もしくは別のDNAを使って結晶化を試している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CENP-SXとDNAの複合体結晶の位相情報を得ることができ、結晶のパッキングやCENP-SXの存在について情報を得た。現在の結晶及び位相情報ではDNAの電子密度が明確でないものの、今後位相情報を加えていくことでDNA分子を配置することが可能となり、CENP-SXのDNA認識機構が明らかになると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は分子置換以外の位相情報を得る目的で重金属を含む結晶を得ること、他のより高分解能な結晶を得られるよう様々なコンストラクトを試す。
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Causes of Carryover |
今年度は位相決定に集中していたため当初予定していたDNAの種類よりもコンストラクト数が少なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は高分解能結晶を得る目的でコンストラクト数を増やす計画で、合成DNA作成費用、結晶化試薬、結晶化に利用する消耗品の購入を予定している。
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Research Products
(8 results)