2014 Fiscal Year Annual Research Report
出芽酵母における糖タンパク質糖鎖代謝の分子機構の全容解明
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25291030
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
鈴木 匡 独立行政法人理化学研究所, 糖鎖代謝学研究チーム, チームリーダー (90345265)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 出芽酵母 / 糖タンパク質 / 糖鎖 / 代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は主に(1)O型糖鎖、および(2)N型糖鎖の代謝機構について研究を行った。これまでO型糖鎖については特定の培養条件で遊離のO型糖鎖が細胞内に蓄積することを見出していたが、その糖鎖が顕著に蓄積する株(A株)を単離した。その株は遊離糖鎖が蓄積する条件で増殖の阻害を示すことから、過剰なO型遊離反応が起こると細胞にとって不都合である可能性が示された。現在その増殖の阻害の回復を指標にして、自然復帰突然変異株の単離を行い、2つの株の単離に成功した。一方、現在網羅的にA株との2重変異株を作成しており、その中で増殖阻害の抑制株が得られないか検討を行っている。 N型糖鎖の糖鎖代謝に関しては、これまでN型糖鎖脱離酵素(Png1)による糖鎖脱離と、細胞質/液胞マンノシダーゼであるAms1によるalpha-マンノースの刈り込みは知られていたが、Ams1による最終産物であるMan1GlcNAc2についてどのような代謝機構があるか不明だったため、その解析を行った。その結果、Man1GlcNAc2については定常期には時間依存的にその量は増え続け、その量は増殖期に入ると分裂に従って減少し、積極的に代謝している証拠を見出すことはできなかった。同様に、通常は小胞体でプロセスをうけるGlc残基についても、小胞体のグルコシダーゼ(Gls1; Gls2)を欠損する株についてはそれ以外の酵素によるトリミングを観察することができず、代謝にかかわるalphaグルコシダーゼは存在しないことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
N型糖鎖の代謝に関しては、すでに一定の成果を挙げることができた。O型糖鎖の代謝に関しては、現在のスクリーニングを続けて何とか遺伝子同定にこぎつけたいが、その可能性は十分にあると考えている。このO型糖鎖遊離酵素が見つかれば、真核細胞にとって初めての酵素で、糖鎖代謝の全容解明に向けた大きなブレークスルーになると期待している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は自然復帰突然変異株に関してそのゲノム解析によって変異タンパク質の情報を得て、2重変異株の解析結果とあわせてO型糖鎖遊離酵素について同定につなげる予定である。
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Causes of Carryover |
ほぼ計画通りに研究費を執行したが、7,233円の残高があり次年度に繰り越して利用することとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
この繰越による研究計画の変更はない。
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Research Products
(13 results)