2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25291038
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
樋口 芳樹 兵庫県立大学, 生命理学研究科, 教授 (90183574)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | X線結晶解析 / 酸素耐性酵素 / Ni酵素 / ヒドロゲナーゼ / 反応機構 / 燃料電池 |
Research Abstract |
本研究では,酸素耐性をもつ複数の [NiFe]ヒドロゲナーゼについてその酸素耐性の構造基盤を解明することを初期目的とする.また,これらの結果を元に酸素に阻害される金属酵素に酸素耐性機能を付与する普遍的な「しくみ」を見出し,酵素やモデル化合物の改変・設計に対して有用な情報を提供することを最終目標とした.さらに標準タイプ(酸素抵抗性をもつが耐性をもたない)酵素については,細胞膜からの抽出時にプロテアーゼによる切断をせず,より細胞内で機能している状態のままでの抽出精製法の検討を行った.下記にまとめる. 1.新規酸素耐性[NiFe]ヒドロゲナーゼのX線構造生物学: 好熱菌(Citrobacter sp. S-77)の培養法を検討し,酵素を高効率に発現する培養条件をほぼ確立した.また,本酸素耐性[NiFe]ヒドロゲナーゼの抽出・精製法を検討した.その結果,本酵素は通常の膜結合性の酸素耐性ヒドロゲナーゼと比較して,極めて疎水性の高いタンパク質であることがわかった.現在,疎水性クロマトグラフィー法を利用した精製条件を確立しつつある. 2.標準型[NiFe]ヒドロゲナーゼの結晶構造解析: 本酵素を界面活性剤で抽出した場合,トリプシン処理したものよりはるかに安定に酵素活性を維持できることがわかった.平成25年度はトリプシンを用いない精製法の開発および結晶化条件の検討を進めた. また,酵素のN末端が修飾されていることが明らかになり,現在,その修飾基を解析中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の最大の目標であった,下記の3点が達成された事による. 1.新規の酸素耐性[NiFe]-ヒドロゲナーゼを効率よく発現するCitrobacter sp. S-77の培養条件が確立されたこと. 2.Citrobacter sp. S-77の新規酸素耐性[NiFe]-ヒドロゲナーゼの精製方法に目処がついたこと. 3.硫酸還元菌由来の標準型[NiFe]-ヒドロゲナーゼのプロテアーゼによる切断抽出を経ない方法による精製法を確立できたこと
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Strategy for Future Research Activity |
平成26-27年度 1.新規酸素耐性[NiFe]ヒドロゲナーゼのX線構造生物学:Citrobacter sp. S-77の大量培養を推進し,新規酸素耐性[NiFe]-ヒドロゲナーゼの精製を行い,結晶化および放射光施設でのX線回折実験を進める. 2.硫酸還元菌由来の標準型[NiFe]ヒドロゲナーゼの結晶構造解析:N末端の修飾基を決定する.また,修飾基がついたままでの酵素試料の結晶化条件をスクリーニングする. 3.硫酸還元菌由来の[NiFeSe]ヒドロゲナーゼの結晶構造解析:本酵素の精製法の検討を続ける.
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[Presentation] Purification and Crystallization of NAD+-reducing [NiFe]-hydrogenase2014
Author(s)
H. Nakagawa, M. Taketa, M. Habukawa, K. Kihira, N. Shibata, H. Nishihara, K.-S. Yoon, S. Ogo, Ma. Ishii, Y. Igarashi, Y. Shomura and Y. Higuchi
Organizer
第1回ピコバイロジー研究所国際シンポジウム
Place of Presentation
理研XFEL大会議室(兵庫)
Year and Date
20140107-20140108
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