2013 Fiscal Year Annual Research Report
オートファゴソームをモデルとした真核細胞のオルガネラ形態形成機構の解明
Project/Area Number |
25291040
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 邦律 東京大学, 新領域創成科学研究科, 准教授 (20373194)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | オートファジー / 出芽酵母 / オートファゴソーム / 小胞体 / ER exit site / 膜輸送 / オルガネラ形成 / 栄養飢餓 |
Research Abstract |
真核細胞の内部では独立した機能をもつオルガネラが必要に応じて形成と分解を繰り返すことにより恒常性が維持されている。オルガネラ形成時の脂質供給源として重要な役割を果たしているのが小胞体である。我々の研究により、栄養飢餓で誘導されるオートファゴソーム(以下AP)の形成時には、形成中のAPに、COP II小胞形成に関わる機能領域であるER exit siteを介して小胞体が接していることが明らかとなった。本年度はこの研究結果を論文として発表した(Suzuki et al., J. Cell Sci., 2013)。 本年度は隔離膜と小胞体膜間の相互作用の実体を解明することを目標とし、COP II小胞を構成するタンパク質であるSec13の変異株を使用してオートファジー活性を見積もった。その結果、Sec13を欠いた細胞であってもCOP II小胞形成能が保持されてさえいればオートファジーの活性は保持されていることが明らかとなった(未発表データ)。我々の論文発表の直後にCOP II小胞を構成するタンパク質と複数のAtgタンパク質が物理的に相互作用していることが他のグループにより示された(Graef et al., Mol. Cell Biol., 2013)。我々の研究結果によると、Atg2-Atg18複合体がCOP II小胞と他のAtgタンパク質との相互作用を媒介している可能性が示唆されているので、今後はAtg2を欠いた細胞で、COP II小胞を構成するタンパク質とAtgタンパク質との相互作用を確認していきたい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」の項目でも記載したように、(1)論文を公表できたことが第一に挙げられる。論文に記載した結果を基に、(2)COP II小胞を構成するタンパク質であるSec13の変異株を使用してオートファジー活性を見積もり、Sec13を欠いた細胞であってもCOP II小胞形成能が保持されてさえいればオートファジーの活性は保持されていることを示せた点が挙げられる。また、(3)Atg2を欠いた細胞では顕微鏡下に観察されるAtgタンパク質とCOP II小胞との共局在が失われることを示すことができた点も挙げられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究計画の当初より、COP II小胞を構成するタンパク質とAtgタンパク質との物理的相互作用を検出することが目的の一つであった。都合のいいことに我々の論文発表の直後にCOP II小胞を構成するタンパク質と複数のAtgタンパク質が物理的に相互作用していることが他のグループにより示された(Graef et al., Mol. Cell Biol., 2013)。この手法を利用することで、Atg2-Atg18複合体がCOP II小胞と他のAtgタンパク質との相互作用を媒介している可能性を我々の手で再現することを狙っている。また、これまで様々な研究者が試みたものの手法として確立していないCOP II小胞の免疫電子顕微鏡観察による検出を成功させるべく、新たな手法を工夫して実験を進めている。
|
Research Products
(5 results)