2014 Fiscal Year Annual Research Report
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25291041
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
佐藤 政充 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (50447356)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 細胞分裂 / 細胞骨格 / 染色体分配 / 細胞周期 / 配偶子形成 / 減数分裂 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,下記の3題に内容を分けて実験をおこなっている。 (1)微小管形成の必要十分条件となる因子「微小管ジェネレーター」の機能解析:本課題では,微小管ジェネレーターである微小管結合タンパク質Alp7-Alp14と中心体タンパク質の相互作用について検証を重ねた。Alp7-Alp14は,細胞周期の時期に応じて別々のタンパク質と結合することが分かった。このことは,細胞周期の間期においては,特定の因子と相互作用することで細胞質に微小管を形成することを促進し,分裂期には別の因子と相互作用することで核内に微小管形成を誘導することを示唆する。 (2)微小管ジェネレーターを適材適所に配置するメカニズムの解明:(1)に連動して,これらの中心体タンパク質が存在する位置が微小管を形成する位置を決めていることが分かった。この過程で,サイクリン依存性キナーゼCDKが重要な役割を果たすことが分かり,現在その基質タンパク質の同定をすすめているところであり,候補因子と思われるタンパク質が分かりつつある。 (3)減数分裂・配偶子形成における新規の微小管構造,知られざる動態を探る:微小管結合タンパク質Dis1が,通説とは異なり微小管の脱重合をおこなう可能性を追求するため,サイクリン依存性キナーゼによりリン酸化されない変異型Dis1などを作製して微小管と動原体の動きをモニターするライブセル・イメージングをおこなっている。Dis1に関連にてDam1複合体が微小管を脱重合する可能性についても追究している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一部は予期せぬテクニカルトラブルを抱えていた部分もあるが,分裂酵母を用いた実験は総じて順当に結果を出している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は,酵母に加えて,ヒト培養細胞で微小管ジェネレーターを発現させる実験系を構築することを目指す。酵母のタンパク質を発現するのみならず,これらのヒトオーソログである各因子を発現させる実験系も作る必要があり,現在進行中である。
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Causes of Carryover |
当該年度においては,リン酸化実験が当初の予想よりも順調に進み,じゅうぶんな成果をあげることができている。しかしその一方で,タンパク質結合実験やヒト培養細胞を用いた実験は技術的な困難を抱えたため実験が一部遅れている部分もある。しかしこれらの諸問題は現在解決の方向に向かっており,次年度にその研究が進むことが期待されるため,次年度使用額として使用することとした。また,次年度は研究に参画する学生が増えることもあり,安定に研究を遂行するためにも次年度使用額として使用することとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
遅れが出ていたタンパク質実験,ヒト培養細胞実験の問題が解決しつつあるため,これらの実験に使用する計画である。
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