2014 Fiscal Year Annual Research Report
セマフォリンシグナルによる多様な細胞特性制御の解明
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25291044
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高木 新 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (90171420)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | セマフォリン / 膜小胞 / エンドサイトシス |
Outline of Annual Research Achievements |
RNAiスクリーニング:昨年度に引き続きplx-1表現型抑圧を指標とした検索を行った。 膜小胞・小器官へのSNT-1の局在解析:UNC-57 (endophilinB), UNC-26(synaptojanin), AMAN-2(Golgi apparatus marker), TRAM-1 (ER marker)各分子に蛍光蛋白質を融合させray前駆表皮細胞群で発現させた。UNC-57, UNC-26では細胞内で顕著な局在はみられなかった。AMAN-2は蛍光が検出されなかった。 TRAM-1は細胞質に顆粒状あるいは線維状の蛍光が観察されたが、SNT-1との共局在性は野生型とplx-1変異体で差がなかった。 endocytosis/exocytosisの可視化:lin-17プロモーターを用いてSNT-1::Sep/pHluorin2をray前駆表皮細胞群で発現させたが、蛍光が検出されなかった。そこで細胞への色素の取り込みをendocytosisの可視化に利用する事を試みた。脂溶性蛍光色素(lipophilic styryl fluorescent dye)FM-4-64溶液を偽体腔内へ微量注射することによって、ray前駆表皮細胞群のendocytosisを可視化できることが分かった。 セマフォリンシグナルと細胞内物質輸送との関係解明:セマフォリンシグナルによって輸送されるカーゴ候補としてカドヘリンHMR-1)、インテグリン(PAT-3)を考えた。HMR-1::GFPはapical junction (AJ)に局在し細胞内にシグナルはなかった。野生型とplx-1変異体で差がなかった。ray前駆表皮細胞群でPAT-3::GFPの蛍光は認められなかった。セマフォリンシグナル受容体のray前駆表皮細胞内での局在をlin-17p::plx-1::gfpを用いて検討した。その結果、PLX-1はAJにほぼ局在することが明らかになった。プレキシンのAJへの局在はこれまで報告がなく大変興味ある知見である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
懸案のエンドサイトシス可視化の目途がたったため。
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Strategy for Future Research Activity |
RNAiスクリーニング:引き続きplx-1表現型抑圧を指標とした検索を行う。 膜小胞・小器官へのSNT-1の局在解析:局在解析を完了するためにGolgi apparatus markerであるSYX-16::GFP発現系統を作成し、解析する。 endocytosis/exocytosisの可視化:FM-4-64微量注射によるray前駆表皮細胞群のendocytosis可視化法を、各種変異体および発生段階の異なる幼虫に適応し、画像データを得る。 さらに画像データの定量化法を確立する。 また、初期エンドソームマーカーであるHGRS-1がendocytosisのマーカーとして利用できるかどうかを検討する。また、exocytosis解析のためのマーカー利用も検討する。 セマフォリンシグナルと細胞内物質輸送との関係解明:PLX-1の細胞膜上および細胞内での局在を、野生型とセマフォリンシグナル変異体(smp-1 smp-2)において観察する。また、SNT-1をPLX-1の細胞内での局在を検討する。
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Causes of Carryover |
SNT-1::sep/phluroin2の発現解析を行うため、発現プラスミドのコンストラクションを行い線虫内で発現させたが、蛍光が認められなかった。 蛍光発現がみられない場合、新たに別のコンストラクション(コドン最適化、イントロン付加など)を行う予定であったが、「線虫C.elegansではsep/phluroin2がエンドサイトシスマーカーとして機能しない場合がある」という情報を他の研究者から入手した。このため、計画を変更し、疎水性蛍光色素を利用したエンドサイトシス解析を試みることになり、未使用金額が生じた。 未使用額は、次年度の疎水性蛍光色素による標識実験に充てることとしたい。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
疎水性蛍光色素を購入し、微量注射に用いる。
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Research Products
(3 results)