2015 Fiscal Year Annual Research Report
A study on semaphorin-regulated diverse cellular events
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25291044
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高木 新 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (90171420)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | セマフォリン / シナプトタグミン / エンドサイトシス / 細胞形態制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
RNAiスクリーニング:昨年度に引き続きプレキシン雄変異体の尾部形態異常表現型の抑圧を指標とした検索を行った。 エンドサイトシス解析:昨年度、雄尾部の体腔に脂溶性蛍光色素を注入するとray表皮細胞に取り込まれることを確認し、脂溶性蛍光色素の取り込みがエンドサイトシスの指標として利用できることが明らかになった。 本年度この方法で色素取り込みを詳細に調べた結果、野生型では3齢幼虫では色素の取り込みが見られずエンドサイトシスがほとんど起きていないことがわかった。一方プレキシン変異体では3齢幼虫でも色素が取り込まれた。 また、snt-1 シナプトタグミン変異, およびunc-41ストーニン2変異はプレキシン変異体3齢幼虫での色素の取り込みは見られなかった。この結果、セマフォリンシグナルが実際にシナプトタグミン依存的なエンドサイトシスを負に制御していることが示された。また、4齢幼虫では野生型、プレキシン変異体ともに色素が取り込まれ、野生型でのエンドサイトシスが発生段階選択的な制御を受けていることがわかった。 小胞マーカー解析:シナプス小胞のエクソサイトシス因子として知られるSNB-1/synaptobrevinをGFP標識し、ray表皮細胞において発現させた。その結果、蛍光シグナルが、野生型に比べプレキシン変異体で上昇していることが明らかになった。このことから、セマフォリンシグナルはエンドサイトシス・エクソサイトシス両者による小胞リサイクリングを制御していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題の大きな目標である、セマフォリンシグナルとシナプトタグミン依存的なエンドサイトシスの関係を直接的に示すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
セマフォリンシグナルによるシナプトタグミン依存的なエンドサイトシス制御の分子機構解明が重要な課題となる。
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Causes of Carryover |
'feeding RNAi実験結果にカビ・雑菌の混入が影響するという新事実が平成27年7月に判明した。従来のRNAi実験では虫を1枚のRNAi用大腸菌培養中で約1週間培養・増殖させていた。これに代えて改変RNAi法では、培養途中で2枚目の培養に手作業で虫を移動させることで、1枚目の培養に混入したカビ・雑菌の影響を極力除去することにした。継代用培養の準備と虫の継代作業という手間が増えたため、実験に要する時間が約2倍となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究期間を延長するため、実験補助者雇用および試薬費用が必要。
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