2015 Fiscal Year Annual Research Report
植物の器官原基形成初期過程における細胞分裂の制限機構と基本RNA代謝の役割
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25291057
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
杉山 宗隆 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (50202130)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 温度感受性突然変異体 / 細胞分裂 / シロイヌナズナ / シュート再生 / 側根原基 / ミトコンドリア / リボソームRNA / RNA代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
シロイヌナズナの〔1〕側根原基形成時における内鞘細胞の不等分裂の制限機構と〔2〕シュート再生過程で不定芽原基が形成される際の細胞分裂域の制限機構について、以下の通り研究を実施した。 〔1〕に関しては、高温で帯化側根を形成する変異体rrd1、rrd2、rid4の解析から、PPRタンパク質のRRD2、RID4によるRNA編集との連動のもと、PARN様タンパク質のRRD1がミトコンドリアmRNAのポリA分解にはたらき、呼吸活性の調節を介して、内鞘細胞の不等分裂の終結を制御している、と推定しており、この作業仮説に沿って、とくに次の4点について研究を進めた。予備的調査に留まっていたミトコンドリアmRNAの編集の解析を、編集が知られている全てのmRNAに亘って網羅的に行い、rid4変異体における編集不全からRID4が関与する編集部位を決定した。rrd1のcox1 mRNA末端部の構造を調べ、野生型では3'端のA付加がほとんど見られないのに対し、rrd1ではおよそ半数のmRNAでAが付加されており、その数は最大26程度であることなどを明らかにした。組換えRRD1タンパク質がPARN活性をもたないことを示し、RRD1が単独ではなく、他の因子と共同でポリAを分解している可能性を示唆した。RRD2関連因子の分子遺伝学的探索のために、rrd2抑圧変異体の候補を8株単離した。 〔2〕に関しては、これまでプレrRNAプロセッシングに異常を示す温度感受性変異体のrid2およびrid3、rid2抑圧変異体として単離したANAC082の変異体sriw1などを用いて、リボソーム生合成に関わる遺伝的欠損がCUC・STM経路の昂進や不定芽原基の細胞分裂域の拡大をANAC082依存的に引き起こすことを示してきた。本年度は新たに、rRNA生合成に影響する薬剤や翻訳阻害剤に対する感受性がsriw1変異体で弱まっていることを見出し、知見を総合して、ANAC082はリボソームの生合成や機能の不全による一種のストレス応答を仲介していると考察した。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(12 results)