2013 Fiscal Year Annual Research Report
始原生殖細胞における不活性X染色体再活性化メカニズムの解明
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25291076
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡本 郁弘 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40648424)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 不活性X染色体の再活性化 / ゲノムリプログラミング / 始原生殖細胞 / マウス |
Research Abstract |
前年度は1. in vivo由来の始原生殖細胞発生過程における再活性化ダイナミクスの解析を行った。2. 多能性幹細胞(ESCs)より試験管内再構成法を用いて始原生殖細胞を誘導して再活性化を再現し、in vitro由来の始原生殖細胞における再活性化ダイナミクスの再現性の解析を行った。 1ではE7.5からE12.5まで24時間ごとにin vivo由来の始原生殖細胞を回収し、再活性化ダイナミクス(Xistと不活性X染色体特異的ヒストン修飾であるH3K27me3の消失とX連鎖遺伝子の両アレルからの発現)を時系列で解析を行った。その結果、XistはE7.5から消失開始し、E10.5でほぼ全ての始原生殖細胞で消失が観察された。不活性X染色体特異的ヒストン修飾であるH3K27me3の消失はXistより24時間遅れて、E8.5から消失開始し、E11.5でほぼ全ての始原生殖細胞で消失が観察された。X連鎖遺伝子の両アレルからの発現は一部の遺伝子でE7.5以降に開始する事が認められた。2では試験管内再構成法で始原生殖細胞様細胞を誘導し、誘導開始後から3日後、72時間で、再活性化の解析を1と同様に行った。その結果、90%以上の細胞で誘導開始後72時間後で不活性化に必要な遺伝子であるXist遺伝子の発現とH3K27me3の局在が消失しており、両X染色体から一部のX連鎖遺伝子の発現が認められた。これらの結果から、試験管内再構成した始原生殖細胞における不活性X染色体再活性化が誘導されている事を多面的に確認出来た。また、誘導開始後から3日後、72時間における試験管内再構成した始原生殖細胞はin vivoのE11.5の始原生殖細胞に相当すると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
In vivo 由来の始原生殖細胞は一匹から至極少数しか回収出来ない為にIn vivo 由来の始原生殖細胞の再活性化の解析が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は前年度中に終了しなかった以下の2つの解析を完了させた後に、始原生殖細胞での再活性化におけるXist遺伝子の発現抑制に関わる因子の同定を開始する。 1. in vivo由来の始原生殖細胞発生過程における再活性化ダイナミクスの解析。 2. 多能性幹細胞(ESCs)より試験管内再構成法を用いて始原生殖細胞を誘導して再活性化を再現し、in vitro由来の始原生殖細胞における再活性化ダイナミクスの再現性の解析。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初予定していた物品は購入しなかったため。 当該助成金は物品費として使用する。
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Research Products
(3 results)