2014 Fiscal Year Annual Research Report
始原生殖細胞における不活性X染色体再活性化メカニズムの解明
Project/Area Number |
25291076
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡本 郁弘 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40648424)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 不活性X染色体の再活性化 / マウス / 始原生殖細胞 / リプログラミング |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度は前々年度に引き続き、1. In vivo 由来の始原生殖細胞発生過程における不活性X染色体再活性化ダイナミクスの解析を行った。2. 多能性幹細胞(ESCs)より試験管内再構成法を用いて始原生殖細胞様細胞を誘導して、in vitro由来の始原生殖細胞様細胞における不活性X染色体の再活性化ダイナミクスの解析を行った。1ではRNA FISHを用いて、E10.5及びE12.5胚由来始原生殖細胞におけるX染色体上遺伝子の両アレルからの発現解析を行った。その結果、E10.5では解析した一部の遺伝子、特にテロメア側に位置する遺伝子で両アレルからの発現が30%未満の細胞で観察された。一方、E12.5胚由来の始原生殖細胞では50%以上の細胞で解析した半数以上のX染色体上遺伝子で両アレルからの発現が観察された。これらの結果から不活性X染色体の再活性化はこの発生ステージではまだ完了していないと考えられる。また、2では1と同様にRNA FISHを用いて、試験管内再構成法で誘導培養開始後、6日間培養した始原生殖細胞様細胞(遺伝子の発現パターンからE9.5胚相当)におけるX染色体上遺伝子の両アレルからの発現解析を行った。その結果、解析した一部の遺伝子で両アレルからの発現が5%未満の細胞で観察された。同発生時期(E9.5) 相当のin vivo 胚由来の細胞における発現パターンも早急に解析し、それらと比較する事により、再活性化の進行を検証する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
RNA FISH を行う際に始原生殖細胞をスライドガラスもしくはカバーグラスに接着させているが、処理を進めて行く間にほとんどの細胞が剥がれて失われてしまう為に一回の実験で解析出来る細胞数が非常に少ない。この為に計画全体の進行が遅れている。また、In vivo 由来の始原生殖細胞は非常に少量しか回収出来ない為に、再活性化の解析が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はまず、上記理由欄に記載した細胞が薄利する問題に対する対策(細胞とカバーガラスを接着させるコーティング剤の変更等)を行い、問題を解決する。その後、in vivo 並びにvitro 由来の始原生殖細胞における再活性化ダイナミクス解析を完了させる。それと平行して、始原生殖細胞での再活性化におけるXist遺伝子の発現抑制に関わる因子の同定を行う。
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Causes of Carryover |
当初予定していた物品を購入しなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当該助成金は物品費として使用する予定である。
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Research Products
(4 results)