2015 Fiscal Year Annual Research Report
染色体相互認識に寄与する染色体集積RNAの作用機構解析
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25291079
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
丁 大橋 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所バイオICT研究室, 主任研究員 (50359080)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 染色体 / 減数分裂 / 対合 / 分裂酵母 / 非コードRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
減数分裂期前期の相同染色体の相互認識・対合は相同組換えの前にすでに完了しているが、しかし、相同染色体同士がどのようにお互いに見つけて対合する分子メカニズムはほとんど不明である。申請者が分裂酵母において、減数分裂期に転写され、転写されるsme2遺伝子ローカスに集積する非コードRNAmeiRNA-Lが相同染色体を積極的に繋ぎとめる役割をしていることを発見した。本申請研究では、染色体相互認識における染色体集積RNAの作用機構ならびに分子メカニズムの解明を目的としている。 新規のmeiRNA結合タンパク質の同定をめざし、昨年度までの研究でsme2ローカスにドット状集積するSmpタンパク質(sme2 localised proteins)を10個(smp1~10)発見し、そのうちsme2対合サイトのロバストの対合に寄与するタンパク質を5つ同定した。新規のロバスト対合サイトの発見および対合のメカニズムを解明するために、今年度においてChIP-seq解析を行い、3つのsmpたんぱく質の栄養増殖期および減数分裂期前期の染色体結合サイトの同定をした。その結果、3つのタンパク質が非常に似た染色体結合を示し、何れのタンパク質も減数分裂期前期の染色体により多く結合する。また、それらのタンパク質はsme2ローカス以外にも多くの減数分裂遺伝子の染色体ローカスに結合し、さらにセントロメアと非コードRNAが転写される部位により顕著な結合がある。今後それらのSmp結合サイトと相同染色体の相互認識の関係を解析していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
sme2対合サイトのロバスト対合に必須なタンパク質因子を複数見つかり、しかもそれらの因子の対合への役割についてこれまでに報告されたことがないので、新規な発見と言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後対合に必須な新規因子の具体的作用メカニズムを外部研究者と協力して解析していきたい。
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Causes of Carryover |
予定した実験が来年度に延期したため未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
対合に必須なSmp因子がないときの遺伝子発現を解析するためにMicroarrayの実験をする。さらに、お互いに違う調節経路に属するSmp因子がそれぞれ違う遺伝子群の転写を制御していると予測したので、それを確かめるために、ChIP-seqによる解析が必要である。その2つの実験のために前年度の未使用額を使う予定。
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Research Products
(7 results)