2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25291100
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
半谷 吾郎 京都大学, 霊長類研究所, 准教授 (40444492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金森 朝子 京都大学, 霊長類研究所, 研究員 (20625074)
牛田 一成 京都府立大学, 生命環境科学研究科(系), 教授 (50183017)
松田 一希 京都大学, 霊長類研究所, 助教 (90533480)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 霊長類 / 食性 / 腸内細菌 / 共進化 / 次世代シーケンス / 16S rRNA / 消化 / ニホンザル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、腸内細菌が霊長類の消化機能にどう影響しながら、霊長類と共進化してきたのかを明らかにすることを目的にしている。生態学的時間スケール(季節変化)と、進化的時間スケール(系統進化)の両方で、霊長類の食性が変化した場合に、腸内細菌相がどう変化し、霊長類の消化機能にどう影響するのかを、野生霊長類の行動観察に基づく採食生態学、腸内細菌のメタゲノム解析、分子生物学的手法による腸内細菌の機能解析による知見を統合して解明することを目指している。 本年度は、すでに試料収集、DNA抽出が終わっている屋久島のニホンザルのサンプルについて、シーケンスを行った。霊長類研究所に昨年度末導入されたMiseqでシーケンスが行うことができるよう、昨年度から実験の条件検討を続けてきたが、最適な条件を設定することに成功し、3個体から1年を通じて集めた約80個の糞の解析を行った。その結果、食性の季節変化に応じて腸内細菌の構成が変化することが明らかになった。この結果は、8月に開催された国際霊長類学会大会で発表した。 一方、クロシロコロブス、テングザル、ブタオザル、カニクイザル、オランウータンについては、分担者と本研究費で雇用した教務補佐員によって試料の収集が行われ、昨年度と合わせて1年以上にわたって資料収集を行うことができた。クロシロコロブスとオランウータンについてはすでに試料を日本に持ち帰り、DNAの抽出を行った。今後、ニホンザルと同様にシーケンスを行う予定である。 次世代シーケンサによる網羅的解析とは別に、屋久島で採取した排泄直後の糞から最近の培養を行った。食物条件がより厳しい上部域だけで検出され、海岸部からは検出されない未同定の細菌が発見された。その機能について今後分析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
野外調査は順調に進行し、ほぼ試料の収集を終えることができた。シーケンスのための実験条件の設定もできたため、あとは試料を分析にかけるだけの状態であるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
ニホンザルの結果を論文にまとめる。そのほかの種について、シーケンス、データ解析を進める。ニホンザルの糞を培養して得られた細菌について、機能解析を行う。
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Causes of Carryover |
年度当初は、本年度にニホンザル以外の種のシーケンスを行う予定であったが、それを次年度に持ち越したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ニホンザル以外の種についてシーケンスを進める。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Coming down from the trees: Is terrestrial activity in Bornean orangutans natural or disturbance driven?2014
Author(s)
Ancrenaz M, Sollmann R, Meijaard E, Hearn AJ, Ross J, Samejima H, Loken B, Cheyne SM, Stark DJ, Gardner PC, Goossens B, Mohamed A, Bohm T, Matsuda I, Nakabayashi M, Lee SK, Bernard H, Brodie J, Wich S, Fredriksson G, Hanya G, Harrison ME, Kanamori T, Kretzschmar P, Macdonald DW, Riger P, Spehar S, Ambu LN & Wilting A
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 4
Pages: 4024
DOI
Peer Reviewed
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