2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25291100
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
半谷 吾郎 京都大学, 霊長類研究所, 准教授 (40444492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金森 朝子 京都大学, 霊長類研究所, 研究員 (20625074)
牛田 一成 京都府立大学, 生命環境科学研究科(系), 教授 (50183017)
松田 一希 京都大学, 霊長類研究所, 助教 (90533480)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 霊長類 / 食性 / 腸内細菌 / 共進化 / 次世代シーケンス / 16S rRNA / 消化 / ニホンザル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、腸内細菌が霊長類の消化機能にどう影響しながら、霊長類と共進化してきたのかを明らかにすることを目的にしている。生態学的時間スケール(季節変化)と、進化的時間スケール(系統進化)の両方で、霊長類の食性が変化した場合に、腸内細菌相がどう変化し、霊長類の消化機能にどう影響するのかを、野生霊長類の行動観察に基づく採食生態学、腸内細菌のメタゲノム解析、分子生物学的手法による腸内細菌の機能解析による知見を統合して解明することを目指している。 本年度は、昨年度に解析を行った屋久島の試料について、これまでは2個体だけであったものに、さらに1個体について追加でデータ解析を行った。この資料は分析中である。また、収集の終わったマレーシア・ダナムバレーのオランウータン、ウガンダ・カリンズのクロシロコロブスの試料からのDNA抽出を完了した。また、マレーシア・スカウのテングザル、ブタオザル、カニクイザルについては、試料の収集が終了し、試料を日本に持ち帰った。今後、これらの種についてもシーケンスを行う予定である。 次世代シーケンサによる網羅的解析とは別に、屋久島で採取した排泄直後の糞から細菌の培養を行った。食物条件がより厳しい、上部域の糞だけから検出される細菌の単離に成功し、その細菌の全ゲノムを解読して、機能についての推定を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各種の試料収集を予定通り終え、実験のプロトコルも確立できたので、あとは実験を行うだけの状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
ニホンザルの結果について論文にまとめる。そのほかの種についても、シーケンスを行い、結果を分析する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額は全体に比べてわずかであり、ほぼ計画通りに予算を使用した。正確に使用額を計画通りにすることは困難であった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験のための消耗品費に使用する。
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