2014 Fiscal Year Annual Research Report
超高磁場fMRIを用いたヒト身体不安定性における「全身的協関」メカニズムの研究
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25291109
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
菊池 吉晃 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 教授 (50134739)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
則内 まどか 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 客員研究員 (20571897)
跡見 友章 帝京科学大学, 医療科学部, 講師 (80611285)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 身体不安定性 / 直立二足歩行 / 重力 / 頭頂島前庭皮質(PIVC) / fMRI / バランスボード / 身体図式 / 運動図式 |
Outline of Annual Research Achievements |
自己認知的手法を適用することで、身体的拘束条件の強いMRI装置の中でも、実際の身体的危機関連脳部位が有意な活動を示すことが確認された。すなわち、fMRI実験1ヵ月前までに個々の被験者について、3つのバランスボード課題(動的不安定、動的安定、静的安定)を実施してもらい、その動画を編集することで、fMRI実験における刺激として使用した。同動画刺激を自他・課題でランダムに提示し、3T-MRI装置によって脳機能画像を撮像し解析を実施した。その結果、自己の動的安定に対して動的不安定において有意な活動を示した部位は、大脳基底核(被殻、尾状核)、背側運動前野、左縁上回前部などのほか、頭頂島前庭皮質(PIVC: parieto-insular vestibular cortex)であった。一方、他者の同コントラストでは、左上頭頂皮質とEBA(extrastriate body area)となった。これらの結果は、身体不安定の自己認知によって自己の明確な違いが存在し、視覚情報処理過程については自他で認められる一方、自己では、視覚情報処理→自己の身体・運動図式に基づく視覚から自己の身体・運動座標への変換過程→PIVCにおける身体不安定性の総合的評価過程が認められた。とくに、PIVCにおける神経活動は、実際の身体不安定状態において活性化すると考えられることから、同自己認知条件は、身体不安定関連脳部位の活動を促進する可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績において記載したように、本来測定が不可能であった身体不安定関連脳部位が、申請者らによる独創的な自己認知の方法論を導入することで、その観測が可能となることが示されたことは大変意義深い。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の研究実績を踏まえ、さらに自己特性を強調できる解析や実験を実施し、少なくても大脳から脳幹レベルまでの脳活動を解析し、それらを総合することで身体的不安定性における全身的協関コントロールがどのようにおこなわれているかについて明らかにする。さらに、本研究における自己特異性の意味について検証をおこなう。
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Causes of Carryover |
本研究計画における研究用主要機器である首都大学東京に設置の超高磁場脳磁気共鳴画像撮像装置(MRI)が2014年に故障し、当初の研究計画実施変更を余儀なくされたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2015年度においてはすでに同装置の修理が完了し正常に機器は稼働しているため、本年度中断した実験を予定通り翌年度行う予定である。
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[Presentation] 身体性を伴う自己認知に関する神経機構2014
Author(s)
跡見友章、則内まどか、田中和哉、長谷川克也、清水美穂、跡見順子、菊池吉晃
Organizer
2014年度人工知能学会オーガナイズドセッション「知の身体性」
Place of Presentation
ひめぎんホール(愛媛県民文化会館)(愛媛県、松山市)
Year and Date
2014-06-21 – 2014-06-22
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