2015 Fiscal Year Annual Research Report
超高磁場fMRIを用いたヒト身体不安定性における「全身的協関」メカニズムの研究
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25291109
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
菊池 吉晃 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 教授 (50134739)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
則内 まどか 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 客員研究員 (20571897)
跡見 友章 帝京科学大学, 医療科学部, 講師 (80611285)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 身体不安定性 / 直立二足歩行 / 重力 / 頭頂島前庭皮質(PIVC) / fMRI / 自己認知 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、自己認知的方法論の適用によって、身体不安定性に関与する脳活動部位について詳細な解析を実施した。今年度は、さらに自己特異性と他者特異性に着目し、あらたなコントラストによる検討に加え、主観評価との相関などによって、解析をおこなった。その結果、(自己動的不安定-自己動的安定)と(他者動的不安定-他者動的安定)との比較によって、さらに身体不安定性に関与し、しかも実際に不安定な状態に置かれた場合に活動すると思われる部位の有意な活動を認めることができた。同知見は、原著論文1篇、招待レビュー論文において公表するとともに、書籍においても公表をおこない、各界から大きな反響を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」に記載したように、概ね、本申請研究の主要な課題についてはそのコアとなる部分を解明し、すでに国際学術雑誌をはじめとして、招待レビューや書籍の他、国際会議においても公表を継続してきた。本申請研究課題をさらに深く突き詰め、身体不安定性の神経基盤をさらに明らかにする可能性が、本年度研究を推進する過程において発見され、それに関する詳細な検討を次年度の課題とした。
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Strategy for Future Research Activity |
身体不安定性における身体構成の関与について、ある特殊な条件において交感神経系の活動の減弱が認められたことから、この条件をさらに追及するとともに本現象の神経基盤について詳細な解析を実施し、それを明らかにする。
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Causes of Carryover |
平成27年7月予備実験の結果、当初の研究計画における結果予想に反し、身体構成における特定の条件において、身体不安定性状態に伴う交感神経系の活性化が減弱することが明らかとなった。研究遂行上、同現象の神経メカニズムを明らかにする必要があることから、同身体構成要因と交感神経系との関連を調べる実験を追加で実施する必要が生じたため、研究期間の延長とともに次年度使用額が必要となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記の、身体不安定性状態に伴う交感神経系の活性化の減弱がどのような身体構成において生じる現象かについて実験を継続し、その神経基盤を明らかにし、その知見を基に、最終的な「身体不安定性」における神経メカニズムを明らかにする。次年度使用額については、この実験遂行やデータの詳細な解析、さらには論文発表、学会発表のために使用する予定である。
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