2014 Fiscal Year Annual Research Report
光受容体メラノプシンを基礎とした視覚発達メカニズムの解明と光環境設計
Project/Area Number |
25291110
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
太田 英伸 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 知的障害研究部, 室長 (80422103)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲垣 真澄 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 知的障害研究部, 部長 (70203198)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 早産児 / 正期産児 / メラノプシン / ロドプシン / コーンオプシン |
Outline of Annual Research Achievements |
光環境は早産児の身体精神発達に影響することが知られている。特に早産児は妊娠28週から光を知覚し(Hao et al. PNAS 1999)常に明るい光環境が児の身体発育を妨げ、明暗サイクルのある光環境が発育を促すことが知られている(Mann et al., BMJ 1986; Brandon et al., J Pediatr 2002)。またNICUの不規則な光環境が精神・神経発達に影響することが指摘されている(Mirmiran & Ariagno, Semin Perinatol 2000; Ohta et al., Nature Neurosci 2005;Ohta et al., Pediatr Res 2006)。 本研究では、新しい光受容体「メラノプシン」を基礎として新生児の眼球光受容体の発達特性を明らかにし、新生児の睡眠・身体発達を促進する光環境を設計する。光環境は早産児の発達に影響することが知られている。我々は、これまで昼夜差のある光環境(明暗環境)が眼球光受容体「メラノプシン」を介して、早産児の睡眠・身体発達を促す一方で、24時間明るい恒明環境が早産児の発達を阻害することを確認した。本研究では、更に1)正期産(妊娠37週以降)で出生した一般新生児の眼球光受容体の発達特性を解明し、2)その光受容体の特性に適応した光環境を設計する。その後3)設計した光環境が早産児・新生児の睡眠・身体発達に耐える影響を評価し生後の光環境の重要性を検討する。 これまでに、光受容体メラノプシンがロドプシンの発達速度を調整する可能性を明らかにし、この知見を基礎に、正期産児が知覚できない光波長・照度で構成した光環境を設計した。昨年度は設計した照明器具を使い、臨床研究を行うための研究デザインを完成させ、臨床研究を開始した。本年度は、この臨床研究を継続する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、これまでに、光受容体メラノプシンがロドプシンの発達速度を調整する可能性を明らかにし、この知見を基礎に、正期産児が知覚できない光波長・照度で構成した光環境を設計した。昨年度は設計した照明器具を使い、臨床研究を行うための研究デザインを完成させ、臨床研究を開始したため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、昨年度開始した臨床研究を継続する。具体的には光環境に対する早産児の睡眠覚醒・自律神経の発達および身体発達に与える影響を検討する。この研究を通して、新生児用ライトを夜間使用した方が、赤ちゃんの睡眠覚醒・身体発達を促進するか否かを検証する。
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Remarks |
特許出願予定の研究テーマのため、出版等を含め研究内容の公開を現在の時点で基本的に避けたいと考えている。
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Research Products
(12 results)
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[Presentation] 早産児の光環境と睡眠.2014
Author(s)
太田英伸, 中川真智子, 兼次洋介, 李コウ, Japan RED filter study group
Organizer
第56回日本小児神経学会学術集会
Place of Presentation
アクトシティ浜松、浜松市
Year and Date
2014-05-30
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