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2014 Fiscal Year Annual Research Report

活性型転移因子がイネのエピゲノムにおよぼす効果の解明と育種への応用

Research Project

Project/Area Number 25292006
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

築山 拓司  京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (00423004)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 奥本 裕  京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (90152438)
寺石 政義  京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 講師 (80378819)
齊藤 大樹  京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (10536238)
Project Period (FY) 2013-04-01 – 2017-03-31
Keywords転移因子 / イネ / エピジェネティクス
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、イネ活性型転移因子mPingが宿主のエピゲノムにおよぼす効果を解析するとともに、mPingの転移と宿主のエピジェネティックな制御の関係を解明することで、転移因子を用いたエピゲノム育種を提案しようとするものである。
近年、オルタナティブスプライシング(AS)がDNAメチル化やヒストン修飾によって制御されていることが知られている。mPingは宿主によるメチル化の対象となることから、本年度はmPing挿入を有する遺伝子の転写産物の構造とメチル化程度を解析した。その結果、mPingは自身とその近傍をメチル化することでASを誘発している可能性が示唆された。
これまでの研究から、mPingはDNAメチル化だけでは不活化されないことが明らかになっている。mPingの転移には自律性転移因子PingのORF1およびORF2がそれぞれコードするMyb様タンパク質(PiMyb)および転移酵素(PiTP)が必要であるが、それらのタンパク質がメチル化されたmPingの転移にどのように関与しているかは未解明である。そこで、大腸菌組換えタンパク質発現系を用いてPiMybおよびPiTPを精製し、ゲルシフトアッセイによってそれらタンパク質のmPingに対する結合能を調査した。その結果、mPingが転移する際は、PiTPではなく、PiMybがmPing配列に直接結合することが明らかになった。また、PiMybとmPingの結合はメチル化によって阻害されないことが明らかになった。これらのことから、mPingは宿主によってメチル化されるものの、PiMybとの結合が妨げられないことがコピー数を増加の一因であると考えられた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

26年度は、mPingが自身とその近傍をメチル化することでASを誘発していること、および自律性転移因子PingがコードするMybタンパク質とmPingの結合はメチル化によって阻害されないことを明らかにし、mPingが宿主のエピゲノムおよぼす効果とmPingの転移機構の一端を理解することができた。一方で、交付申請書に記載した研究計画、特に次世代シーケンサーを用いたmPingメチル化の解析では、26年度も期待した成果が得られなかった。このことは、25年度と同様に、mPing特異的なライブラリが作成できなかったためである。しかし、申請者らはすでに、ゲノム全体のメチル化と、新たな手法で構築したmPing特異的ライブラリのメチル化の解析に取り組んでいる。メチル化程度の網羅解析には、25年度と同様に、新学術領域研究「ゲノム支援」の支援を受ける予定であり、27年度の研究は順調に進展する見込みである。

Strategy for Future Research Activity

銀坊主におけるmPingのメチル化程度はコピー間で異なることから、mPingのメチル化を解析する際には、1,000コピー以上の挿入位置を明確に区別する必要がある。27年度は、まず、通常のPost-bisulfite Adaptor Tagging (PBAT)法を用いて銀坊主ゲノム全体のメチル化程度を明らかにするとともに、High-Throughput Targeted Repeat Element Bisulfite Sequencing (HT-TREBS)法を用いてmPing特異的にメチル化状態を解析する。
昨年度の研究から、mPingは自身とその近傍をメチル化することでオルタナティブスプライシング(AS)を誘発している可能性が示唆された。そこで、RNA-seqによって銀坊主ゲノム中でmPingによるASが生じている遺伝子を明らかにするとともに、Chip-seqによってmPingが存在する領域のヒストン修飾状態を調査する。そして、上記のメチル化網羅解析の結果と併せて、mPingが宿主のエピゲノムを改変することで遺伝子の転写後制御にも関与しているかを明らかにする。
mmPingの転移機構の解析では、Pingがコードするトランスポゼースがメチル化したmPingを切り出すか、およびmPingが切り出される際に二本鎖切断が生じているかを調査する。また、昨年度作出したガンマ線照射F2集団から、不活性型mPingが切り出された個体をスクリーニングする。ユビキチン様タンパク質をコードするRurm1の機能を欠損した突然変異系統IM294においてタンパク質翻訳効率が低下した遺伝子を同定するとともに、当該遺伝子のノックダウン系統を作出し、Rurm1機能喪失がメチル化の変化を伴わずmPingの転移活性を高める分子機構を明らかにする。

Causes of Carryover

26年度は、交付申請書に記載した研究計画、次世代シーケンサーを用いたmPingメチル化の解析において期待した成果が得られなかった。研究計画を見直し、当初予定していたサンプルの解析を中止したため、解析費が次年度に持ち越しとなった。

Expenditure Plan for Carryover Budget

27年度は、手法を改良して上記の解析を行う予定であり、次年度使用額は全て適正に執行される。

  • Research Products

    (2 results)

All 2014

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 活性型トランスポゾンを利用した新しい育種法の開発2014

    • Author(s)
      築山拓司
    • Organizer
      日本育種学会第126回講演会
    • Place of Presentation
      南九州大学
    • Year and Date
      2014-09-26 – 2014-09-27
  • [Presentation] イネトランスポゾンmPingの転移活性を制御する因子の探索2014

    • Author(s)
      寺本翔太、築山拓司、谷坂隆俊、奥本裕
    • Organizer
      日本育種学会第126回講演会
    • Place of Presentation
      南九州大学
    • Year and Date
      2014-09-26 – 2014-09-27

URL: 

Published: 2016-06-01  

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