2014 Fiscal Year Annual Research Report
大気CO2上昇下で高い生産性を発揮するイネ科・マメ科作物の品種選抜手法の開発
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25292011
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
下野 裕之 岩手大学, 農学部, 准教授 (70451490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 佑 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (50634474)
川崎 通夫 弘前大学, 農学生命科学部, 准教授 (30343213)
義平 大樹 酪農学園大学, 農学生命科学部, 教授 (50240346)
青木 直大 東京大学, 農学生命科学研究科, 助教 (70466811)
熊谷 悦史 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, その他部局等, 研究員 (80583442)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 地球温暖化 / 大気CO2濃度 / 品種選抜 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,急速に増加する大気CO2濃度上昇を効率的に「資源」として利用できる適応品種の低コストかつ信頼のおける選抜法の開発を目的とする.そのため,6つの手法(1)低大気CO2濃度下での選抜,(2)気孔のCO2応答による選抜,(3)栽植密度での間接的な選抜,(4)年次によるバイオマスの可塑性による選抜,(5)Rural-Urban gradientを用いた選抜,(6)自然CO2スプリングを用いた選抜について初年度においてイネを用いて検討したところ,2つの手法,(3)と(4)が有効であることを見出した.そこで,本年度は,それら手法のダイズ,ムギ類への適応の可能性について検討した.加えて,イネについて高濃度CO2候補品種の選抜を(3)の手法で国際イネ研究所でインディカイネ450品種について,(4)の手法を用いてAfrica Rice Centerでアフリカイネ200品種について行った.
その結果,手法の他作物への適応として,ダイズについては(3)の栽植密度を用いた手法については密接な相関関係がCO2応答性との間でみとめられたことから,イネのみならずダイズにも適応可能であることを見出した.また,コムギ,ライムギ,エンバクの新旧品種について,栽植密度応答を比較すると,旧品種ほど応答性が高いことを見出した.来年度にCO2応答性の比較を行う予定であり,それによりムギについても適応可能であることを示すことが期待される.
高濃度CO2への適応候補品種については,圃場試験の結果,インディカイネならびにアフリカイネについてそれぞれ10の候補品種を選抜することができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本課題は,簡易な高濃度CO2応答品種の選抜手法の確立を目的としているが,既に2つの手法が有効であることを見出している.この枠組みの中で,次のステップである候補品種の選抜も開始しており,当初の計画以上の進展をみせている.
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Strategy for Future Research Activity |
本課題での目的とする簡易な高濃度CO2応答品種の選抜法の有効性を明らかにするためには,昨年度に選抜した品種の実際の高濃度CO2環境での応答を評価する必要があると考えられる.
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Causes of Carryover |
発表を予定していた解析を追加し,27年年度に学会発表を行うため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
学会発表の経費として使用する.
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Research Products
(4 results)