2014 Fiscal Year Annual Research Report
放線菌の接合伝達機構解明と人為的高速ゲノム進化への応用
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25292047
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
片岡 正和 信州大学, 学術研究院工学系, 准教授 (90332676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三島 正規 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (70346310)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 放線菌 / 接合関連遺伝子群 / 移植 / 線状プラスミド / 環状プラスミド / ttrA / ゲノム移行 |
Outline of Annual Research Achievements |
放線菌のDNAチャネルと予想しているpSN22由来、TraBタンパク質の分子特性についてbの解析を行った。前年度の研究で完全に詰め切れなかったATPase活性と接合機能の関連を完璧とするため、再現実験を行ったところ、接合現象とATPase活性のリンクが再現できた。また、昨年度の変異だけでは論理展開にとって足らないために、新しい変異クローンを作製した。これらの活性は最終年度に完璧に測定する予定である。 接合達関連遺伝子群の応用性として、接合関連遺伝子の移植による様々な巨大プラスミドの可動化の可能性について検討した。線状と環状の両複製ステージを取りえるプラスミド、pLus980を利用してpSN22由来の接合伝達遺伝子群traR, traA, traB, cltを移植したところ、環状プラスミドのみならず、頻度は低いものの線状プラスミドも可動化した。また、線状プラスミドSAP1由来の伝達関連遺伝子群を同様に移植した場合、環状プラスミドは可動化できるが、線状プラスミドはhelicaseをコードするttrA遺伝子を存在させないとほとんど可動化できなかった。また、ttraAの選択性をしらべたところ、SAP1由来のttrA遺伝子だけでなく、他の線状プラスミド由来のttrAでも有効であった。これらの知見は全くこれまで知られていなかった新しい知見である。 pSN22由来のtraA, traA, traB, cltの放線菌ゲノムへ挿入し、ゲノムの水平移動がどのように変化するかを観察した。プラスミドが仲介するゲノム移行よりも千倍以上のゲノム移行効率が観察でき、この系をうまく使えば新しいゲノム操作法が期待できる。その方面に関しては挑戦的萌芽に採択され、さらなる解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目標としている部分には到達しているが、ややツメが甘い部分が有る。ATPaseに関しては遅れており、原因はGC含量の高い遺伝子の取り回しに難があったためで、現在人工遺伝子を作製し、問題解決を図っている。
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Strategy for Future Research Activity |
TraBの分子特性に関しては論文化する。伝達遺伝子の特性に関しては既に全てのデータがそろっており、論文作成中である。TraBを含むDNAチャネル複合体に関しての研究をスタートさせており、複合体に関する知見の集積をはかる。構造機能相関に関してはC末端の構造が研究分担者によってほぼ決定されており、NMRでふらつきが見られる部分を確定次第論文にする予定である。
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Causes of Carryover |
最初に計画していたタイムラプス顕微鏡は価格が折り合わず、現存の機器にChilled CCDをつけることによって擬似的に解決できたため、購入を控えた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
人工遺伝子構築などのふくれあがる消耗品代と、人件費などに次年度使用額とH27年度請求額を合わせて使用予定。
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Research Products
(9 results)