2013 Fiscal Year Annual Research Report
感染症原因菌の悪性化を統御するクオルモン-受容体膜タンパク質複合体の結晶構造解析
Project/Area Number |
25292057
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
永田 宏次 東京大学, 農学生命科学研究科, 准教授 (30280788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 二郎 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (40217930)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 構造生物学 / 複合体構造 |
Research Abstract |
□FsrC-GBAP複合体の低分解能(3.0Å)構造解析(担当: 永田) ・精製-現在、培養から精製・結晶化まで3日かかっていたが、精製の検討により、一両日中にFsrCの精製を完了する系を確立した。・結晶化-蒸気拡散法結晶化において、従来より使用してきた沈殿剤PEG400やPEG550MMEよりも、新たに導入した沈殿剤PEG500DMEがFsrC-GBAP複合体結晶の成長を促進することを見出し、100μm角の比較的大きなFsrC-GBAP複合体結晶を再現良く安定して得られるようになった。脂質メソ相結晶化も試したが、FsrC-GBAP複合体結晶は得られなかった。・X線回折-SPring-8やPhotonFactoryにて自動結晶マウントロボットを使用し多数の結晶のX線回折能のテストおよびX線回折データ収集を高効率で行うことは実現できた。沈殿剤PEG500DME を用いて得られるFsrC-GBAP複合体の大きな結晶はSPring-8やPhotonFactoryのビームタイムに間に合わなかったので、H26年度にX線回折実験を行う。およびSeMet置換体の結晶についてもH26年度にX線回折実験を行う。・構造解析-以前に取得した4.1Å分解能の回折データとFsrC細胞内ドメインにアミノ酸配列相同性のある超好熱菌由来ヒスチジンキナーゼ(AaHK)の結晶構造を用いて分子置換法による構造解析を試みた。連続した電子密度が複数観測され、膜貫通部位と思われる領域も特定できたが、位相問題の解決が不完全となるので、それ以上進めなかった。H26年度に、重原子導入結晶の調製やSe-Met標識体結晶の調製、X線回折実験を行い、重原子同型置換法や多波長異常分散法での構造解析を進めて、確実にFsrC-GBAP複合体の結晶構造解析を成功させる予定である。 □GBAPおよびGBAP拮抗阻害剤の調製(担当: 中山) すでに確立した方法(Nakayama et al. (2001). Biosci. Biotechnol. Biochem. 65, 2322-2325.)を用いて、結晶化や結合実験に使用するリガンドGBAPとGBAP拮抗阻害剤とを化学合成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
□FsrC-GBAP複合体の低分解能(3.0Å)構造解析(担当: 永田) ・精製-おおむね順調に進展している。・結晶化-おおむね順調に進展している。・X線回折-計画よりもやや遅れている。結晶化条件を改善して得られたFsrC-GBAP複合体の結晶やそのSeMet置換体の結晶はSPring-8やPhotonFactoryのビームタイムに間に合わなかったので、H26年度にX線回折実験を行う。・構造解析-計画よりもやや遅れている。H26年度に、重原子導入結晶やSe-Met標識体結晶の調製とX線回折実験を行い、重原子同型置換法や多波長異常分散法での構造解析を進めて、確実にFsrC-GBAP複合体の結晶構造解析を成功させる。 □GBAPおよびGBAP拮抗阻害剤の調製(担当: 中山) おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
H25年度に結晶化条件の改善により得られたFsrC-GBAP複合体結晶やそのSeMet置換体結晶について、H26年度にX線回折実験を行い、重原子同型置換法または多波長異常分散法による構造解析を進め、FsrC-GBAP複合体の結晶構造解析を確実に成功させる。 FsrC-GBAP拮抗阻害剤複合体結晶も得られているので、同様に構造解析を進めることを計画している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
FsrC-GBAP複合体の構造解析において、結晶の改善には成功したものの、予定よりも遅れたため、重原子導入結晶やSe-Met標識体結晶の調製が、H26年度に延びた。 その実験に関連する経費をH26年度に繰り越すこととした。 FsrC-GBAP複合体の構造解析において、位相決定を確実に行うために、重原子導入結晶やSe-Met標識体結晶の調製をH26年度に行う。従って、繰り越した経費は、重原子導入結晶やSe-Met標識体結晶の調製、およびそれに関連する実験に使用する。
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