2014 Fiscal Year Annual Research Report
感染症原因菌の悪性化を統御するクオルモン-受容体膜タンパク質複合体の結晶構造解析
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25292057
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
永田 宏次 東京大学, 農学生命科学研究科, 准教授 (30280788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 二郎 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (40217930)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 構造生物学 / 複合体構造 / 膜タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.FsrC-GBAP拮抗阻害剤複合体の構造解析を目指した検討(担当: 永田) 結晶構造解析-従来より得られていた精製FsrC-GBAP拮抗阻害剤複合体試料から得られた結晶のX線回折データの解析により、この結晶はFsrC-GBAP拮抗阻害剤複合体の結晶ではなく、極微量混在していた宿主大腸菌の膜タンパク質AcrBの結晶であることが明らかになった。AcrBはグラム陰性菌において多剤排出輸送体として機能するホモ3量体膜タンパク質であり、すでにその結晶構造は報告されている。しかし、我々が解いたAcrB結晶構造には、3つのサブユニットいずれにもリガンドが結合しており、AcrBの薬剤排出を阻害している状態の新規構造と考えられるため、細菌感染症予防研究に資する成果と期待され、当初の目的から外れるが、これはこのまま分解能向上に向けて構造解析を続ける。 上記の経緯により、FsrC-GBAP拮抗阻害剤複合体の結晶化は、再検討を行うことになった。宿主大腸菌由来のAcrBタンパク質が混在しないように、acrB遺伝子を欠失した大腸菌C41(DE3)ΔacrBを用いることにした。これまで蒸気拡散法により多数の結晶化条件を検討したにもかかわらず、良い結晶化条件が見つからないため、これまでと戦略を変え、まずFsrCの安定性を向上させるべく、Cys残基をAla/Serに置換する変異、次にヒスチジンキナーゼ活性を恒常的に活性型および不活性型に固定する変異(リン酸化されるHis残基→GluおよびVal)を導入した。今後、これらの変異体の安定性評価および結晶化を進める予定である。 2.GBAPおよびGBAP拮抗阻害剤の調製(担当: 中山) 結晶化実験用のリガンドGBAP拮抗阻害剤を化学合成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
精製FsrC-GBAP拮抗阻害剤複合体試料から得られた結晶のX線回折データの解析により、この結晶はFsrC-GBAP拮抗阻害剤複合体の結晶ではなく、極微量混在していた宿主大腸菌の膜タンパク質AcrBの結晶であることが判明した。 FsrC-GBAP拮抗阻害剤複合体について、これまで多数の結晶化条件を検討したにもかかわらず、良い結晶化条件が見つかっていないため、戦略を変え、FsrCの結晶性および安定性を向上させるべく、Cys残基をAla/Serに置換する変異、およびヒスチジンキナーゼ活性を恒常的に活性型および不活性型に固定する変異(リン酸化されるHis残基→GluおよびVal)を導入し、これら変異体について、宿主大腸菌由来のAcrBタンパク質が混在しないように、acrB遺伝子を欠失した大腸菌C41(DE3)ΔacrBを用いて発現し、安定性評価および結晶化を進めることで遅れを取り戻す所存である。
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Strategy for Future Research Activity |
FsrC-GBAP拮抗阻害剤複合体の結晶と思っていたものは、極微量混在していた宿主大腸菌の膜タンパク質AcrBの結晶であることが明らかになった。我々が解いたAcrB結晶構造には、3つのサブユニットいずれにもリガンドが結合しており、AcrBの薬剤排出を阻害している状態の新規構造と考えられるため、細菌感染症予防研究に資する成果と期待され、当初の目的から外れるが、これはこのまま分解能向上に向けて構造解析を続ける。 一方で、FsrC-GBAP拮抗阻害剤複合体の結晶化についても、方針を見直した。まず、宿主大腸菌由来のAcrBタンパク質が混在しないように、acrB遺伝子を欠失した大腸菌C41(DE3)ΔacrBを用いることにした。また、多数の結晶化条件を検討したにもかかわらず、良い結晶化条件が見つからないため、これまでと戦略を変え、まずFsrCの安定性を向上させるべく、Cys残基をAla/Serに置換する変異、次にヒスチジンキナーゼ活性を恒常的に活性型および不活性型に固定する変異(リン酸化されるHis残基→GluおよびVal)を導入した。今後、遅れを取り戻すべく、これら変異体の安定性評価および結晶化を進める。
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