2013 Fiscal Year Annual Research Report
AM菌におけるストリゴラクトン誘導性共生因子の解明
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25292066
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
秋山 康紀 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 准教授 (20285307)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アーバスキュラー菌根菌 / Myc factor / ストリゴラクトン / 共生シグナル |
Research Abstract |
AM菌と植物との間での共生シグナルのクロストークについてまず検討することとした。Myc-LCOおよびキチンオリゴ糖 (2-8糖)をそれぞれ処理したミヤコグサ根におけるストリゴラクトン(SL)関連遺伝子ホモログ (D27、CCD7、CCD8、MAX1、D3、D14)の発現誘導をqRT-PCRにより調べた。その結果、野生型ミヤコグサにおいてMyc-LCOおよび重合度4以上のキチンオリゴ糖によりSL生合成遺伝子 (D27、CCD8、MAX1) の発現誘導が見られた。このSL生合成遺伝子の発現誘導の菌根特異性を検討するために、Nod ファクター受容体 (NFR) 欠損変異体 (nfr1、nfr5、nfr1/nfr5) を用いて同様に解析を行ったところ、Myc-LCOでは発現誘導は大きく低下したが,キチンオリゴ糖では野生型と同様に誘導が見られた。この結果より、AM菌の共生シグナルが植物の菌根共生シグナルであるSLの生合成を活性化する可能性が示唆された。そこで、SL(5-deoxystrigol、GR24)を加えた培養液中で、AM菌Rhizophagus irregularis を培養し、経時的に菌体を取り出して菌体抽出液を調製して、ミヤコグサ共生誘導性pCbp1-GUSレポーターおよびイネ菌根共生マーカー遺伝子(AM1)誘導を指標に菌体抽出物の共生応答誘導活性を評価した。その結果、コントロールおよびSL処理した菌体由来の抽出物は共に共生応答を誘導したが、それら両者の間で活性に差はなかった。また、共生応答誘導活性は培養0日目から見られ、培養日数の経過と共に弱くなっていく傾向があった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既知のAM菌共生シグナルであるMyc-LCOとキチンオリゴ糖によりミヤコグサのSL生合成遺伝子が発現誘導されることを見出し、AM共生相互作用においてシグナルクロストークが存在することを見出した。AM菌におけるSL誘導性物質の探索については、共生応答誘導解析に時間を要したため、LC-MSなどを用いた網羅的分析を行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
SL処理したAM菌の菌体抽出物および培養濾液について網羅的分析を行い、SL誘導性物質の探索を速やかに実行する。
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Research Products
(2 results)