2015 Fiscal Year Annual Research Report
腸管における炎症に深く関わる免疫細胞の機能解析と腸管保護食品創製への展開
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25292074
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
田辺 創一 広島大学, 生物圏科学研究科, 教授 (90272624)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河本 正次 広島大学, 先端物質科学研究科, 教授 (90294537)
木村 郁夫 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (80433689)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Caco-2 / CD40 / colitis / tight junction / bacterial metabolite / lactic acid bacteria / bidifobacteria |
Outline of Annual Research Achievements |
腸管は、大量の異物が体内に到達する入り口として極めて重要である。外来物質に対し過剰に反応しないよう「寛容」状態となっているが、その制御が崩れ炎症が惹起されることは種々の疾病に繋がる。本研究では、(1)腸管上皮バリアの脆弱化、(2)共刺激分子の異常発現、(3)低酸素などの状況に対して、乳酸菌・ビフィズス菌およびその代謝産物による回復に着目し、上記(1)(2)について以下のことを明らかにした。 (1)腸内細菌のリノール酸代謝産物(10-hydroxy-cis-12-octadecenoic acid: HYA)は、ヒト腸管上皮細胞のモデルであるCaco-2細胞において、IFNgamma+TNFalphaによるタイトジャンクションの損傷を回復した。そのメカニズムの1つとして、HYAがGPR40を介してERKをリン酸化し、TNF receptor 2の発現亢進を抑制することを明らかにした。さらに、HYAの経口投与によりDSS腸炎マウスの症状が緩和された。また、10-hydroxyoctadecanoic acidはHYAのような活性を示さなかったことから、HYAに存在する炭素鎖12位の二重結合が、本活性に重要な働きをすることが示唆された。 (2)DSS腸炎マウスにおいて、CD40やCD80などの共刺激分子の発現が亢進していた。Bifidobacterium longum subsp. infantisを経口投与すると、これらは共刺激分子の発現を抑制し、Th1/Th17活性化を抑制することで、腸炎症状が抑制された。 我々の日常生活におけるストレスなどによって炎症が起こっていると考えられるが、これを腸内細菌が修復していると推察される。今後、乳酸菌・ビフィズス菌のヒトでの効果がより明確に証明されることを期待したい。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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