2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25292075
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
寺尾 純二 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (60093275)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向井 理恵 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (90547978)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | フラボノイド / プレニル化 / 血管内皮細胞 / ヘムオキシゲナーゼー1 / Nrf2 / MAPK経路 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、フラボノイドに対するプレニル基の導入がフラボノイドの機能性に与える影響を、構造活性創刊の観点から解明することを目的としている。プレニルフラボノイドの機能性が注目されつつあり、さらに生物工学的手法によるフラボノイドのプレニル化も期待されることから、本研究は意義深いと考えられた。 本年度はヒト血管内皮細胞(HUVEC)を用いた培養細胞実験により、各ケルセチン(Q)及びプレニルケルセチン(PQ)位置異性体の酸化ストレスシグナル伝達系および発現タンパクを追跡することを試みた。QおよびPQ異性体はHUVECのヘムオキシゲナーゼー1(HO-1)をmRNAおよびタンパクレベルで発現上昇させることが示された。PQ各異性体はQよりも強く発現させたが、とくに疎水性が最も高い6PQ異性体によるHO-1誘導が顕著であった。HO-1の発現にはNrf2転写因子の活性化関与するが、事実6PQはNrf2の核内移行を促進した。酸化ストレス感受性シグナル伝達系であるMAPK経路およびPI3K/Akt経路の活性化が6PQによるHO-1発現誘導に関与することも各種阻害剤を用いた実験から明らかになった。したがって、両経路を介したNrf2の活性化が6-PQによるHO-1誘導に寄与することが推定された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定したHUVECを用いた酸化ストレス関連酵素発現に対するPQ異性体の活性比較および作用作用機序まで解明づることができた。 その結果として、疎水性が最も高い6PQが最も強い誘導活性を持つことを明らかにした。 細胞内取り込み量のデータは検討中であり、27年度早々に結果を得る予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
まず第一に各種PQ異性体の細胞内取り込み量の相違を明らかにし、HO-1誘導活性が取り込み量の相違に基づくかどうかを確認する。6PQによるHO-1発現誘導の作用点としてシグナルの最上流である内皮細胞膜のカベオラに対する6PQの影響を検討する。最後に、6PQを前処理したHUVECの酸化ストレス防御機能亢進作用を確認する。以上の結果から、フラボノイドのプレニル化の生理的意義を血管機能亢進作用の観点から評価する予定である。
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