2016 Fiscal Year Annual Research Report
Physilological investigation on the susceptibilitiy of trees against infectioin with wilt diseases
Project/Area Number |
25292089
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
黒田 慶子 神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (20353675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 弘明 神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (50346251)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ナラ枯れ / ブナ科樹木萎凋病 / イチジク株枯病 / 水ストレス / 通水阻害 / 木部樹液 / 樹齢 / 土壌水分 |
Outline of Annual Research Achievements |
課題1 管理下にある苗木を用いた樹木生理と発病の関係性の解明に関しては、モデル樹木イチジクを用いた株枯病菌接種実験の結果をまとめ、論文が植物病理学会報に掲載された。菌の木部内分布と水分通導の低下状況とを視覚的に示し、木本植物が枯死に至プロセスを正確に説明した。 課題2 自然環境下における感受性変動要因の検出および応用技術への発展については、昨年度の伐採試料を含め、樹幹の年輪解析を行った。その結果、コナラ・アベマキ樹幹の肥大成長速度は、菅(樹齢40年~60年生)、東木之部(60~80年生)、矢代(70~100年生)の順に速い傾向があった。同じ調査区内でも個体により成長速度に差が見られ、土壌水分の少ない尾根部は中腹部以下より成長が遅い傾向が見られた。幹直径が10cmに達するのに多くの個体が約10~25年の時間を要した。萌芽更新減少・ナラ枯れ被害増加の太さの目安となる直径30cmに達するのは35年からで、40年以降徐々に個体が増えていった。40年以上放棄された里山林は、萌芽更新能力の低下やナラ枯れ被害の発生が懸念されるが、本研究の調査地の中で、高樹齢個体の多かった矢代地区でカシノナガキクイムシ穿入個体が多かった。 ナラ枯れの感受性に関わると推測される要因を①樹齢、②肥大成長速度、③土壌水分を指標とし、上記の自然感染地において、枯れやすい場所と枯れにくい場所の特徴をまとめた。ナラ枯れ被害の発生時期が最も速かったのは菅、引き続き矢代の尾根から下方にかけての被害増加があり、東木之部の被害はその1年後に開始した。矢代の斜面下部ではカシノナガキクイムシの穿入が多いにも関わらず生存した個体が目立った。またその隣接地の圃場(稲作)に接する斜面最下部では穿入個体の大半が生存していた。この点からも、土壌水分が多い場所では枯死に至りにくいと推測された。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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