2016 Fiscal Year Annual Research Report
Long term prediction of Cesium 137 in forest soil
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25292099
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
三浦 覚 国立研究開発法人森林総合研究所, 立地環境研究領域, 領域長 (30353866)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志知 幸治 国立研究開発法人森林総合研究所, 立地環境研究領域, 主任研究員 (10353715)
伊藤 江利子 国立研究開発法人森林総合研究所, 北海道支所, 主任研究員 (20353584)
小野 賢二 国立研究開発法人森林総合研究所, 東北支所, 主任研究員 (30353634)
青山 道夫 福島大学, 環境放射能研究所, 特任教授 (80343896)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 環境分析 / 放射線 / 土壌圏現象 / 気象学 / 林学 |
Outline of Annual Research Achievements |
1970年までに大気圏内核実験により降下したCs-137の初期沈着量を気象官署の観測に基づいて推定するために、高層気象データを解析し降水量と圏界面高度によるモデルが推定精度を向上させることを明らかにした。 具体的には、次のように解析を行った。平成27年度までのCs-137測定と解析により、森林土壌中のCs-137蓄積量は冬季降水量の影響が大きく傾斜等地形の影響はほとんど受けていないことを明らかにしたが、土壌中のCs-137蓄積量から降下量に対する残存状況を評価するためには、全国スケールで1970年頃までの初期降下量を推定する必要がある。そこで、大気圏内核実験によるCs-137降下量は圏界面より上層を浮遊するCs-137を捕捉して降水とともに地表に降下させる発達した積乱雲の影響が大きいという先行研究による知見に基づいて、2014年の全国16か所の高層気象観測データを利用して圏界面の上昇特性を解析し、降水量と圏界面高度の2つの変数を用いたモデルを作成し、高層気象の影響をCs-137降下量評価に組み込んだ。その結果、当初の冬季降水量のみのモデルでは過小評価となっていた秋田や北九州、過大評価となっていた沖縄や東海地方におけるCs-137降下量の推定精度を良化させることができた。全国316地点の土壌試料の分析結果によるCs-137蓄積量の平均値 1.7 kBq m-2は、全国7か所の気象官署における1970年1月1日までの観測結果にこのモデルを適用して推定したCs-137降下量積算値のおよそ60%程度であったが、両者の間に有意な違いは無かった。以上のことから、大気圏内核実験により森林に降下したCs-137の大部分は、森林土壌の表層部分に沈着していると推定した。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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