2014 Fiscal Year Annual Research Report
立木用ポータブルX線検査装置の開発と材質研究およびマツ材線虫病研究への適用
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25292105
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古賀 信也 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (20215213)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内海 泰弘 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (50346839)
鈴木 良一 独立行政法人産業技術総合研究所, その他部局等, 首席研究員 (80357300)
加藤 英俊 独立行政法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (60583747)
池田 武文 京都府立大学, 生命環境科学研究科(系), 教授 (50183158)
岡野 哲郎 信州大学, 農学部, 教授 (00194374)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 材質・物性 / 森林保護 / 非破壊検査 / X線 / 野外 / 立木 |
Outline of Annual Research Achievements |
材質研究をはじめとする野外の樹木等を対象にした様々な研究に活用できる立木用X線検査装置の開発を目標に研究を進めている.本研究では,前回採択された科学研究費補助金(基盤研究(C)一般,代表古賀信也)により実施した予備的な開発研究を展開し,プロトタイプの検査装置の製作とフィールド実証試験による評価・改良,小型軽量・出力可変型のX線源の開発,さらには材質研究とマツ材線虫病研究に適用し,新知見を得ることを目的としている.今年度は以下項目について実施した. (1)前年度製作した検査装置を用い,画像再構成ソフトウェアの撮影素子位置の調整およびフィルタの調整による再構成画像の品位向上を行った.その結果,針葉樹乾燥材で鮮明な画像を取得でき年輪が確認できた.また,生材状態の木材に対する撮影条件を検討するためにアクリル製基準樹木模型(モデル)を作製し,そのモデルを用いた様々な水分条件での撮影実験を行い,装置の調整を行った.さらに,生材状態の直径約15cmのスギ・ヒノキ樹幹を対象に撮影実験を行い,CT画像を取得した.その画像で心材と辺材の区分が可能であることを確認した.さらに,取得画像と実測による心材率の比較検討を行った. (2)当初のX線源よりもさらに小型軽量のX線源の開発を行った. (3)最新の小型軽量X線源を用いマツ材線虫罹病木の木部の予備的観察実験を行った. (4)昨年度同様,野外実証試験のための基礎資料として,樹幹横断面における打撃音波速度とレジストグラフによる樹幹接線面における微小ドリルの穿孔抵抗値を用いた2つの方法による樹幹腐朽検査を実施し,比較検討のためのデータの収集・検討を行った. (5)昨年度同様,装置の放射線障害防止対策について検討するとともに,タングステンシートよりも軽量な遮蔽シートの探索,回転レールの軽量化の検討など全体的な装置の改良について検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
超小型X線源のX線特性の把握,測定項目・観察内容に適した検知条件の探索,野外での使用に適したハードウェアの検討,測定項目・観察内容・CT化に適した画像処理方法の検討に計画よりも多くの時間を要しているため
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Strategy for Future Research Activity |
前年度同様,測定項目・観察内容に適した検知条件の探索,測定項目・観察内容・CT化に適した画像処理方法の検討を行いながら,試作装置の評価と改良を行う. また,前年度に引き続き,野外フィールドに適した超小型・軽量X線源の開発を進めるとともに放射線障害防止対策を検討する.さらには,試作装置の材質研究およびマツ材線虫病研究への適用を試みる. 得られた成果を公表する.
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