2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25292119
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
北村 真一 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 准教授 (40448379)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広瀬 裕一 琉球大学, 理学部, 教授 (30241772)
仲山 慶 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 講師 (80380286)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | マボヤ被嚢軟化症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では,マボヤ被嚢軟化症における被嚢の軟化がどのようなプロセスで起こっているのかを,病原体側の病原因子(プロテアーゼ)と宿主側のタンパク質に着目しながら研究を進めている.平成26年度には,宿主側の候補タンパク質であるHR-29(筋原繊維を安定化するタンパク質)の大量発現に成功し,本タンパク質の抗血清の作製を行った.また,EST解析から,原因鞭毛虫であるA. hoyamushiは多様なプロテアーゼ遺伝子を発現していることが明らかとなった. これらの成果を踏まえて,平成27年度は本虫がHR-29を分解するかどうかを明らかにするために,本虫の培養液中(虫体存在下)にHR-29を添加し,前述の抗体を用いてウェスタンブロッティングで本タンパク質の分解過程を調べた.その結果,対照区(培地のみ)では全く分解されなかったのに対し,虫体存在下では徐々に分解が進み,1週間後には完全に分解された.このことから,本虫はHR-29を分解することが明らかにされた. 次に,感染に伴うHR-29の変化を明らかにすることを試みた.まず,感染実験を行い,健常個体と発症個体の被嚢から筋肉層をサンプリングした.常法により,抗HR-29抗体を用いて免疫組織学的染色を行い,蛍光顕微鏡で観察した.その結果,HR-29は被嚢と表皮には存在しないことが明らかとなった.しかしながら,表皮下に存在する細胞外基質と筋肉層では強い蛍光が認められたことから,本タンパク質はこれらに局在することが示された.また,これまで被嚢軟化症に罹ったマボヤでは被嚢のみが傷害を受けるとされていたが,本観察によりHR-29の存在する細胞外基質が分解されていることや秩序立てて並んでいる表皮細胞の配列が乱れることが明らかとなった.以上のことから,本課題では軟化過程の全てを明らかにすることはできなかったものの,HR-29の局在およびこれまでに知られていなかった軟化過程の一端を解明することに成功した.
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)