2013 Fiscal Year Annual Research Report
ユ-ザ-フレンドリ-な新規海洋生物多様性測定システムの開発
Project/Area Number |
25292130
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Fisheries Research Agency |
Principal Investigator |
長井 敏 独立行政法人水産総合研究センター, 中央水産研究所, 主任研究員 (80371962)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安池 元重 独立行政法人水産総合研究センター, 中央水産研究所, 研究員 (20604820)
中村 洋路 独立行政法人水産総合研究センター, 中央水産研究所, 研究員 (90463182)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | メタゲノム解析 / DDCA / 海洋プランクトン / 海洋細菌 / 18S-rRNA / 28S-rRNA / ユニバーサルプライマー |
Research Abstract |
1) ユニバーサルプライマーの開発:これまで開発した18Sや28S-rRNA遺伝子を標的にしたプライマーに加え、節足動物だけを標的にした28S-rRNAを増幅するためのプライマーの開発を行った。また、葉緑体のrbcL遺伝子のプライマーについては、これまで報告したユニバーサルプライマーのユニバーサリティーの検証を行い、従来のクローニングによるものだけではなく、次世代シーケンサー(NGS)を用いたメタゲノム解析にも使用できることを確認した。 2) 標的遺伝子群のシーケンスデータ収集と種名情報付加DNA プローブセットの作成: 公的核酸配列データベースから真核生物の18S-rRNA遺伝子、細菌の16S-rRNA遺伝子として登録されている配列を全て抽出した。各生物群あるいは種毎に登録されている配列数に大きな差があるので、このバイアス除去のため100、98、95、90%でクラスタリングを行い、代表配列を抜き出すことで、これをDDCAで用いるプローブ化する技術を確立することに成功した。 3) NGSメタゲノムデータを用いたシステムの精度検証:これまで取得したNGSデータを用いて、申請者らが使用するメタゲノム解析手法とDDCAの結果を比較したところ、DDCAで検出されたOTU(Operational Taxonomic Units)数は約2/3であり、予想通り、公的データベースに未登録の種については検出できなかった。 4) DDCA と連携したプローブセット自己成長機能の開発: 公的核酸配列データベースから必要な配列の抽出方法、クラスタリング、プローブとして用いるのに必要な部分の切り出し等の作業の自動化するプラットフォームを完成させ、必要な時に、標的の遺伝子領域のプローブ配列の自動的な更新を可能とするプログラムを完成させることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1) ユニバーサルプライマーの開発:プランクトンや細菌のメタゲノム解析が可能なユニバーサルプライマーについて、当初の目的どおり、開発することに成功し、また、その性能についてある程度、評価することができたので、当初の予定通り、順調に研究が進展していると言える。 2) 標的遺伝子群のシーケンスデータ収集と種名情報付加DNA プローブセットの作成: 公的核酸配列データベースから標的遺伝子配列の情報を全て抜き出し、バイアス除去のためのクラスタリングや、DDCA上でプローブ配列として使用するための配列を加工する工程について自動化することに成功したので、当初の予定通り、順調に研究が進展していると言える。 3) NGS メタゲノムデータを用いたシステムの精度検証: 複数の次世代シーケンスによるメタゲノム解析データを用いて、これまで申請者らが開発したプラットフォームで得られた結果と比較し、DDCAを用いて検出できる生物種の状況把握ができたので、順調に進んでいると言える。 4) DDCA と連携したプローブセット自己成長機能の開発: 公的核酸配列データベースから必要な配列の抽出方法、クラスタリング、プローブとして用いるのに必要な部分の切り出し等の作業の自動化するプラットフォームを完成させ、必要な時に、標的の遺伝子領域のプローブ配列の自動的な更新を可能とするプログラムを完成させることができたので、当初の予定通り、順調に研究が進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の大きな研究課題は、5) グラフ機能を付加したプログラム開発:DDCAで検出された生物種の出現組成を表やグラフでユーザーフレンドリーに表示する機能をプログラムに付加し、汎用性を向上させるというものである。昨年度、半自動的に表作成、グラフ作成を可能とするために、簡単な表作成、類似度指数(Jaccard indexやChao index)の計算、ヒートマップ(図)、R(統計ソフト)を用いたNMDS解析(グラフ)、クラスタリング(グラフ)、系統樹の作成(図)、地図上の観測地点に、解析データを図示化させる等を自動化させるための簡単なプログラムの作成は完成させたが、まだ自動的に表示させるまでに至っていない。平成26年度の大きな課題と考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
購入を予定していた消耗品類が、予想以上に安価で購入できたこと、経費の支出をなるだけ抑えるということで、次年度に支出するために残した。 次年度、必要となる試薬等の消耗品の購入に充てる予定である。
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