2013 Fiscal Year Annual Research Report
発展型システム信頼性理論を用いた農業生産基盤施設群の総合リスク評価システムの構築
Project/Area Number |
25292143
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
西村 伸一 岡山大学, 大学院環境生命科学研究科, 教授 (30198501)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤澤 和謙 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 講師 (30510218)
珠玖 隆行 岡山大学, 大学院環境生命科学研究科, 助教 (70625053)
水間 啓慈 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, その他部局等, 研究員 (10645360)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 信頼性設計 / 液状化 / 地震ハザード / 疑似降雨 / 被害想定シミュレーション / 有限要素法 / MPS / 模型実験 |
Research Abstract |
近い将来の発生が予想される南海地震や頻発する集中豪雨に備えて,農村地域に存在する農業生産基盤施設群(水利施設や干拓堤防など)に対する防災対策が急務である.本研究では,これら構造物の適切な維持管理を目的とするリスク評価手法の構築を目指す.25年度の実施結果を以下に示す. J-SHISを利用し,今後50年における地震危険度曲線(規模に応じた地震の発生頻度をモデル化したもの)の作成を行った.海岸地域の堤防の安定性を検討するため,液状化模型試験装置を開発した.また,土構造物の内部診断に用いるサウンディング装置の精度を確認するための,室内土槽を試作した.斜面,堤防の地震時を想定した地震応答解析法,豪雨時の安定解析法,破堤解析法の整理および改良を行った.地震時,豪雨時の自然斜面や施設の安定解析法は,有限要素法を中心として多数存在する.本研究では,構造物間の安全性の相互関係を明らかにするため,広領域を対象とした解析を要する.そのためには,個々の解析手法を,簡便化および連携して用いる必要があり,簡便化の方法として応答局面法について検討した.また,堤防が破堤した場合や土石流が生じた場合の洪水解析法や土石流解析法を改良・開発し(有限体積法,MPS法を用いる),被害想定シミュレーションを行った.逐次得られる地すべり変位,地下水位等の観測値を利用し,データ同化技術を用いて,観測値と予測シミュレーションを一体化する技術を完成させることを目指すが.25年度は,軟弱地盤における沈下予測を適切に行うための逆解析法について重点的に検討した.リスク評価手法の確立のためには,災害時の被害算定法の検討が必要である.この課題について,25年度は,ため池の決壊を想定した,被害額の算定ツールを構築した.また,この結果と被害想定シミュレーションを利用して,地震時の下流域のリスク評価を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画と実施結果を比較して,結果に,特に遜色が見られないため.
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Strategy for Future Research Activity |
システム信頼性理論に基づいた地域一帯の総合リスク評価の研究を更に発展させる 土構造物の地震時安定性評価を目的とした液状化模型実験を継続し,試験結果をフィードバックさせることによって試験機を完成させる. 現地調査に基づく土構造物の内部診断を,サウンディングや物理探査を用いて実施する. 開発した土槽試験装置で,新たなサウンディング機器を開発する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
人件費,謝金を他の外部資金によって確保できたため,この項目の支出が無かったことが最大の理由である. 物品費の一部として使用される.
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