2014 Fiscal Year Annual Research Report
加圧熱水法によるセルロース分離とリグニン残渣利用技術のモジュール化
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25292149
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
東城 清秀 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (40155495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
帖佐 直 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (10355597)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 再生可能エネルギー / バイオマス / 廃棄物資源循環 / セルロース / リグニン / ペレット |
Outline of Annual Research Achievements |
2013年度と同様に対象とする作物残渣をヒマワリの茎部とした。ヒマワリの品種はハイブリッドサンフラワーとし、栽植密度を条間70cmに固定して、株間を10、20、30、40、50cmと5段階に変えて栽培し、その茎を供試材料とした。 加圧熱水法の初期圧力がセルロース分離に及ぼす影響を調べるため、回分式の高温高圧反応容器を使用し、パージする窒素ガス初期圧力を0.5MPaと1.0MPaに設定し、温度を180℃、190℃および200℃、保持時間5分とした。冷却後、回収した反応生成物を吸引濾過し、処理液と固形分残渣に分けた。さらに、固形分残渣はアスペルギルス由来のセルラーゼで糖化した。インキュベータの温度は40℃、攪拌速度200rpm、反応72時間とした。糖化後のグルコース量とキシロース量はHPLCで測定した。この結果、いずれの温度条件に対しても圧力では0.5MPaの方が1.0MPaより糖の収率がわずかに高かった。糖収率の高い温度条件は初期圧力によって異なるものの、概ね180℃または190℃が200℃より高い結果であった。処理液内の有機酸濃度を調べると、温度が200℃の時、高い濃度のギ酸と酢酸が検出された。 形成したペレットを燃焼利用することを想定し、灰化温度と灰分の関係について検討した。その結果、灰化温度200℃~400℃では灰分が22%と高く、400℃~750℃では16%、800℃以上では12%程度まで減少することが分かった。また、灰化温度を815℃として部位別の灰分を調べると、髄部の灰分は22%と高く、皮層部の灰分は10%程度であることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ヒマワリの茎を対象材料として研究を進めているが、ヒマワリは栽植密度によって茎の形態が大きく異なる。本研究では形態の異なるヒマワリの茎を確保するための栽培手法について概ね確立できた。また、糖収率を高める加圧熱水法の初期圧力条件および温度条件について、概ね良好な範囲を見つけることができた。しかし、ヒマワリ茎のペレット化に向けた検討は遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
ペレットの作成を依頼できる機関の目途が付いたので、早期にペレットの作成を依頼し、ペレット分解性に関する実験を始める予定である。
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Causes of Carryover |
ヒマワリ茎のペレット化とその利用についての検討が遅れており、ペレット関係の予算が未使用となっている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ペレット作成は外部機関に依頼することとし、ペレット崩壊、ペレット分解過程の研究に予算を振り向ける予定である。
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Research Products
(2 results)