2015 Fiscal Year Annual Research Report
高病原性鳥インフルエンザ疫学調査におけるDNAバーコーディング法の応用
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25292172
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
伊藤 壽啓 鳥取大学, 農学部, 教授 (00176348)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 鳥インフルエンザ / DNAバーコード / 疫学 / 鶏 / 野鳥 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では生体材料のミトコンドリアDNA上にある特定領域の塩基配列を決定し、それを既存の生物の配列情報と照合することによって、生物種の同定を行う“DNAバーコーディング”という手法を応用して、高病原性鳥インフルエンザの感染経路や野生動物の流行実態の解明等、様々な疫学情報を入手することに努め、もって将来の高病原性鳥インフルエンザの国内発生予防対策確立のための一助とすることを目的としている。 最終年度である本年度は、前年度に引き続き、糞便によるウイルス保有状況調査を実施するとともに、ウイルス陽性糞便からDNAを抽出し、その感染宿主の種の同定を試みた結果、昨年度とほぼ同程度の確率(97%)で、糞便の宿主を同定できた。 また、本年度は猛禽類や哺乳動物の消化管内容物(被食動物)の同定の捕食者特異的ストッププライマーを用いることにより、猛禽類消化管内容物の同定の特異性向上を試みた。すなわち3’末端に1つのC3spacerを修飾したプライマーを用いたPCR反応を、高病原性ウイルスに感染して斃死した猛禽類の消化管内容物から抽出した DNA に対して用いることで、被食者の種の同定を試みた。 その結果、2011年宮崎県および鳥取県でそれぞれ発見された2羽のハヤブサおよび栃木県で発見されたオオタカの検体では、遺伝子増幅は認められたが、シークエンス結果はいずれも捕食者であるハヤブサもしくはオオタカのCO1遺伝子のみであった。 以上の成績から、本研究で確立されたDNAバーコーディング法は猛禽類を対象とした場合、そ嚢の消化管内容物を用いて比較的高率に被食者の同定が可能であり、種々の鳥インフルエンザの疫学調査に応用できることが実証された。本法は研究代表者が所属する鳥取大学鳥由来人獣共通感染症疫学研究センターが毎年実施している、野生水禽を対象としたインフルエンザウイルス保有状況調査に既に応用している。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)