2014 Fiscal Year Annual Research Report
インターロイキン-19のⅣ型アレルギー炎症発症メカニズムにおける新規調節機能
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25292174
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
東 泰孝 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 准教授 (50298816)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | IL-19 / T細胞 / サイトカイン / 炎症 / CHS |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、接触型過敏性モデルを用いて解析い、組織炎症の程度に野生型マウスとIL-19遺伝子欠損マウスの間で相違があるかどうかを比較検討した。接触型過敏症モデルは、野生型マウスとIL-19遺伝子欠損マウスにハプテンであるオキサゾロンを剃毛した腹部に塗布し免疫(感作フェーズ)し、1週間後、耳介にオキサゾロンを塗布(再感作フェーズ)することで皮膚炎を惹起させた。耳介塗布24時間後および48時間後の腫脹をデジタルシックネスケージを用いて経時的に測定したところ、24時間後ではIL-19遺伝子欠損マウスの腫脹は野生型マウスより有意に大きくなることが明らかとなった。しかしながら、48時間後の時点では、野生型マウスとIL-19遺伝子欠損マウスの間に著明な変化は見られなかった。そこで次に、HE染色を施し組織学的観察により評価したところ、24時間後のIL-19遺伝子欠損マウスでは野生型マウスと比べて炎症性細胞の浸潤程度の増加ならびに浮腫が酷くなることを見出した。しかしながら、48時間後の時点では、野生型マウスとIL-19遺伝子欠損マウスの組織炎症の間に著明な相違は見出せなかった。続いて、24時間後における耳介のミエロペルオキシダーゼアッセイを行い好中球ミエロペルオキシダーゼ活性を測定したところ、IL-19遺伝子欠損マウスのミエロペルオキシダーゼ活性は野生型マウスと比べて有意に高い値を示した。また、腫脹の程度とミエロペルオキシダーゼ活性の値には正の相関があることを認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度であるH25年度には遅延型過敏症モデルを用いて、IL-19遺伝子を欠損させたマウスにおいて後肢足底の腫脹が悪化することを見出した。本年度H26年度には異なる発症メカニズムを持つ接触性過敏症モデルを用いて、IL-19遺伝子を欠損させたマウスにおいて耳介の腫脹が悪化することを見出した。これらはいずれも、Ⅳ型アレルギーモデルにおいてIL-19がその発症に重要な役割を担っていることを示すものである。申請期間である4年間の内、前半の2年間においてモデルマウスを用いてIL-19遺伝子欠損マウスの表現型の変化を捉えることができたことは大きな成果である。後半の2年間において、IL-19がどの細胞にどのように作用することでⅣ型アレルギー発症機構に関与するのかを明らかにする。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は接触性過敏症モデルについてオキサゾロンとは異なるハプテンを用いて同様の解析を行うことで、IL-19が広くⅣ型アレルギー発症のキー分子であるのか、あるいは、個別のアレルゲンによる狭いⅣ型アレルギー発症に関与するのかを見極める。IL-19が広く関与するのか狭く関与するのかで、今後の展開は少し変わる可能性があるものの、基本は、細胞レベルでの解析を進めることで、IL-19が治療ターゲットとなる可能性について検討を進める。
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Causes of Carryover |
今年度の助成総額5,385,953円に対し実支出額は5,060,222円であり、試みに予算消費率を算出すると、94.0%であった。次年度使用額が325,731円生じているものの、特段の理由はなく、実験計画の進行に伴い、着実な予算消費ができたと考えている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度生じた325,731円は次年度に有効活用し研究推進に役立てたい。
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