2015 Fiscal Year Annual Research Report
新規アディポサイトカインによる動脈硬化症の病態制御機構の全体像を解明する
Project/Area Number |
25292175
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
山脇 英之 北里大学, 獣医学部, 教授 (60399607)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 薬理学 / 動脈硬化 / シグナル伝達 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、蓄積内臓脂肪と動脈硬化発症リスク上昇との因果関係を説明する新たな液性因子として提唱している脂肪細胞から分泌されるサイトカイン(アディポサイトカイン、とりわけ新規に同定されたものに着目)による動脈硬化発症または予防機序の全体像を明らかにするために立案した。このために新規アディポサイトカインが、動脈硬化の発症において特に鍵となるプロセスに及ぼす影響に焦点を当て、培養細胞(in vitro)、摘出血管(ex vivo)、病態モデル動物(in vivo)を用いて明らかにすることを目的とした。本年度は以下の点を明らかにして3報の学術論文を発表した。1)アディポサイトカインchemerinが血管平滑筋細胞の増殖・遊走促進による血管壁の構造リモデリングを介して昇圧作用を示すことを明らかにした、2)アディポサイトカインvaspinがセリンプロテアーゼ阻害作用を介すると考えれるアセチルコリンエステラーゼ阻害作用を介して摘出腸間膜動脈の弛緩作用を増強することを明らかにした、3)vaspinが抗酸化、抗炎症作用を介して血管壁構造リモデリングを抑制することで降圧作用を示すことを明らかにした。その他、以下の学会発表欄に示す通り、chemerinの新規作用を始め、アディポサイトカインFABP4, omentin, progranulinの作用に関する研究成果を発表し、投稿論文作成の準備を行っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コンスタントに学術論文の出版と学会発表を行っているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き検討を継続、積み重ねることでデータを蓄積し学会発表と学術論文の発表を行う。
|
Causes of Carryover |
当研究計画は4年計画であるため、当初経費はほぼ毎年均等に算出し申請した。 昨年度、次年度使用額が多かったため本年度も最終的にわずかに次年度使用額が出たが、本年度の支出額としては多く計画年全体としては順調に消化していると言える。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
主に試薬、実験動物等の消耗品に支出する予定である。
|
Research Products
(16 results)