2014 Fiscal Year Annual Research Report
細菌感染症に対するファージセラピーとファージワクチンの応用研究
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25292182
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
岩野 英知 酪農学園大学, 獣医学群, 准教授 (60382488)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 豪紀 酪農学園大学, 獣医学群, 教授 (00305905)
橋口 周平 鹿児島大学, 理工学研究科, 助教 (40295275)
萩原 克郎 酪農学園大学, 獣医学群, 教授 (50295896)
前原 誠也 酪農学園大学, 獣医学群, 准教授 (50438363)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ファージセラピー / 薬剤耐性菌 / ウマ細菌性角膜炎 / 緑膿菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
ウマの緑膿菌性角膜炎に対するファージセラピーの応用研究において、以下のような具体的研究成果を得た。 ①ウマ疾病由来緑膿菌株に対して宿主域が広く、吸着効率の高い有効なファージを分離できた。②角膜炎モデルマウスにおいて、菌投与後から3時間まで有効であり現行のレース後での抗生剤使用に即した適用が期待できた。③角膜炎モデルマウスにおいて、複数のファージをカクテル化することにより、細菌に対して相乗的な増殖抑制効果が見られた。これらの結果は、現行の抗生剤の予防的点眼使用と同レベル以上の効果を期待でき、多剤耐性菌の問題を回避するためにも実用化に向けてさらなる検討をしていきたい。この研究成果を北海道地区獣医師会、日本獣医師会獣医学術学会年次大会発表し、それぞれ北海道地区学会賞、獣医学術学会賞をいただいた。また、黄色ブドウ球菌に対するバクテリオファージの特許申請が認められた、特許第5720045号。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ファージセラピーの応用研究については、特にウマの角膜炎への応用について大きな進展があった。この成果は、学会でも表彰を受け、現在論文を2報投稿している。また、申請していた黄色ブドウ球菌のファージについても特許が認められた。ファージワクチン研究については、ファージの組み替えが終了し、そのワクチン効果を確かめる段階まで来ている。最終年度は、これら成果をまとめて公表していきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで同様にそれぞれの課題について取り組む。また、ファージ、緑膿菌それぞれについて全ゲノム解析を行っており、ファージの溶菌システムの詳細な解析とともに、緑膿菌の病原性についても知見を集積していく予定である。
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Causes of Carryover |
前年度末より、外部委託解析を行っており、その請求分が今年度に繰り越されているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は、ファージと緑膿菌の全ゲノム解析から(外部委託)、ファージの溶菌機序、ならびに緑膿菌の病原性に関して詳細な解析を行う。
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Research Products
(6 results)