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2013 Fiscal Year Annual Research Report

凍結下における植物細胞の生体膜ダイナミクスと凍結耐性機構

Research Project

Project/Area Number 25292205
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (B)

Research InstitutionIwate University

Principal Investigator

河村 幸男  岩手大学, 農学部, 准教授 (10400186)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 上村 松生  岩手大学, 農学部, 教授 (00213398)
Project Period (FY) 2013-04-01 – 2017-03-31
Keywords植物 / 環境応答 / 凍結耐性 / 凍結観察 / 生体膜ダイナミクス
Research Abstract

本研究課題では、複数の植物を用いて、膜系および特定のタンパク質の凍結動態および細胞内カルシウム変動のリアルタイム解析を行い、凍結下での一般的な細胞生理学的現象を明らかにする事を目的としている。平成25年度は下記の結果が得られた。
1.蛍光マーカータンパク質を発現する変異体植物の作成:生体膜ダイナミクスを観察するために、いくつかの蛍光タンパク質を融合させたオルガネラマーカータンパク質を発現する変異体植物を入手および作成をした。また、GFPが融合したアクチン結合性タンパクABD2(ABD2-GFP)を発現するシロイヌナズナを入手し、mcherryが融合したERマーカータンパク(ER-mcherry)を発現するシロイヌナズナと掛け合わせ、アクチンフィラメントとERの凍結ダイナミクスが同時に観察できる植物を作成した。
2.様々な植物での細胞膜およびERの凍結動態の一般性について:細胞膜の凍結動態はシロイヌナズナのみ、ERの凍結動態はネギおよびシロイヌナズナでしか観察されていない。そこで、植物一般的な現象であるかの検討を行った。まず、高解像度および高感度で観察が可能な新規の凍結顕微鏡観察系を作成した。次に、ライムギプロトプラストを用いて、FIVsの観察を試みたところ、FIVs様の構造物が凍結中に観察された。次に、岩手大学構内において自生するポプラを用いてER凍結動態の観察を試みた。まず、ERの蛍光染色にER-Tracker-Redが使用できることが確認できた。次に、サンプルをバッファー中ではなく寒天上で凍結させ観察すると凍結中の画像をより鮮明に捉えることが可能となった。冬期のポプラサンプルを用いてER凍結動態の観察を試みたところ、草本植物の結果とは異なり凍結前ではERはネットワーク構造を取らず、小胞状でほぼ細胞内で静止していた。凍結下の観察を試みたところ、ERが層状になっている構造が確認された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の研究計画に基づき各研究項目で順調にデータが得られている。
1)蛍光マーカータンパク質を発現する変異体植物の作成では、おおよそ、当初の計画通りにできた。今後、凍結下での観察に適するかどうかのチェックを行っていく。
2)複数の植物において、細胞膜およびERの凍結動態の観察に成功した。草本植物においては、シロイヌナズナ、ネギ、ライムギにおいて凍結観察が成功した。これらのプロトプラストを観察する場合、細胞をポリリジンコートされたカバーガラスに静電的に結合させることにより、サンプルとレンズの間に氷晶が入らず、細胞内の様子が高倍率でも鮮明に観察することが可能となるが、ポリリジンコートのアーティファクトの可能性も考えられる。そこで、ポリリジンコートなしでの観察を試みたが、その結果、この条件でもFIVsは観察された。
3)代表的な樹木であるポプラでの凍結観察に成功したが、これまで、生きた樹木細胞の凍結観察を行った報告例がなく、その意義は大きいと考えている。

Strategy for Future Research Activity

おおよそ当初研究計画に基づいて平成26年度も研究を推進していく予定である。主な項目としては、1)蛍光マーカータンパク質を発現する変異体植物の作成(平成25年度の続き) 、2)細胞膜およびERの凍結動態の一般性について(平成25年度の続き)、3)細胞膜マイクロドメイン領域の凍結動態観察、4)ER およびアクチンフィラメントの凍結動態同時観察、の4つとなる。蛍光マーカータンパク質を発現する変異体植物の作成においては、今後、凍結下での観察に適するかどうかのチェックを行っていく必要があり、観察が上手くいかない場合は、作成し直すことも含めて検討を試みる。また、ERおよび細胞膜の凍結動態観察においては、木本植物の系を含めて、さらなる高解像度観察が出来る系の開発を試みる。

  • Research Products

    (3 results)

All 2014

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Confocal cryomicroscopic analysis and cryodynamics of endoplasmic reticulum in herbaceous plant cells2014

    • Author(s)
      Shion Kobayashi, Natsumaro Kutsuna, Karen K. Tanino, Matsuo Uemura, Yukio Kawamura
    • Journal Title

      Environmental and Experimental Botany

      Volume: unknown Pages: unknown

    • DOI

      10.1016/j.envexpbot.2014.02.002

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 植物の低温下における遺伝子発現の生体内解析システムの開発2014

    • Author(s)
      冨永陽子、河村幸男、上村松生
    • Journal Title

      低温生物工学会誌

      Volume: 59 Pages: 141-144

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 植物細胞における低温刺激受容と細胞内カルシウムイオン動態について2014

    • Author(s)
      開勇人、上村松生、河村幸男
    • Organizer
      第55回日本植物生理学会
    • Place of Presentation
      富山大学五福キャンパス (富山市)
    • Year and Date
      20140318-20140320

URL: 

Published: 2015-05-28  

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