2014 Fiscal Year Annual Research Report
Vigna属野生植物を利用した超耐塩性・超アルカリ耐性・共生利用型新作物の開発
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25292209
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
友岡 憲彦 独立行政法人農業生物資源研究所, 多様性活用研究ユニット, ユニット長 (40373253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 正 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (70313286)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 耐塩性 / アルカリ耐性 / 野生植物 / 根粒菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
V. marina(マリナ64)とV. luteola(ルテオラ61)の雑種F2集団(第二集団)の耐塩性検定の結果、前年度の集団で得られた耐塩性QTLとは別の耐塩性QTLを新たに検出した。この集団のF2個体のうち、耐塩性が高かった9個体を選んで、種子稔性を高める目的で、ルテオラ61による戻し交雑を実施し、BC1F1世代の種子38粒を獲得した。また、第一集団についても、F2集団のジェノタイプと耐塩性の程度から5系統のF2:3集団を栽培し、ルテオラ62による戻し交雑を実施し、耐塩性QTLの領域がマリナとルテオラのヘテロ接合になっているBC1F1世代22個体を獲得した。第一集団からは、寄与率50%の耐塩性QTLが、第二集団からは寄与率20%の耐塩性QTLが検出された。 マリナが根粒着生を成立する栽培条件の検討に関しては、4段階の尿素施肥量(0、1.2、4.8、12 mM)、4種の培地資材(バーミキュライト、セラミスグラニュー、サンゴ砂、川砂)、2種の栽培方法(一定濃度のNaClにつける浸漬法、その溶液を定期的に与える洗浄法)、を組み合わせて試験区を設計し、それぞれの試験区でマリナを6~8週間栽培後、植物生育量、根粒着生数、その窒素固定能力を調べた。その結果マリナが根粒着生を成立する栽培条件としては、尿素施肥量は12 mM、培地としてバーミキュライトを用い、一定濃度のNaClにつける浸漬法で、ハマアズキに最も良く根粒が着生した。根粒が形成されるNaCl濃度の検討に関しては、マリナと根菌の共生系が成立し、根粒が形成される最大NaCl濃度は80 mMで、窒素固定能も探知できたが、その活性は無処理区の約5 %まで低下していた。根粒着生数を半減させる塩濃度は約15 mM、窒素固定活性では約30 mMであり、感染と窒素固定過程の耐塩性濃度が異なると共に、両生物の共生成立において、塩濃度はまず、感染過程に大きく影響を与えることが分かった
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
V. marinaの耐塩性に関して、寄与率の高いふたつのQTLを検出し、その遺伝子単離に向けた集団の養成が計画通りに進捗している。その過程で、種子生産力の高いV. luteolaによる戻し交雑を実施しており、耐塩性と種子生産能力を兼ね備えた植物の作成も進んでいる。 耐塩性根粒菌が根粒を形成する過程に塩ストレスが与える影響に関して、好適な実験条件を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
Vigna marinaの耐塩性を持ちV luteolaの種子生産性を兼ね備えた雑種個体を得るため、BC1F1世代38個体を栽培しBC1F2の分離世代種子を得て、耐塩性遺伝子の単離へと研究を進める。また、この雑種集団の両親系統間にはアルカリ塩(NaHCO3)に対する抵抗性にも差があることが明らかになったので、分離世代を用いてアルカリ塩に対するQTL解析を実施し、アルカリ塩耐性遺伝子の座乗位置を推定する。 砂浜に生息する耐塩性根粒菌に関しては、どの程度のNaCl濃度まで共生が成立可能かに関するデータを蓄積する。また、新たに土壌のpHストレスが共生関係の成立に与える影響に関する研究を開始する。
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Causes of Carryover |
今年度使用を計画していた分子生物学私欲の使用量が計画より少なかったため、残額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度使用を計画していた分子生物学試薬を次年度に購入して研究を進める。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Peribacteroid solution of soybean root nodules partly induces genomic loci for differentiation into bacteroids of free-living Bradyrhizobium japonicum cells2015
Author(s)
Ohkama-Ohtsu N., Ichida S., Yamaya H., Ohwada T., Itakura M., Hara Y., Mitsui H., Kaneko T., Tabata S., Tejima K., Saeki K., Omori H., Hayashi M., Maekawa M., Murooka Y., Tajima S., Simomura S., Nomura M., Uchiumi T., Suzuki A., Shimoda Y., Abe M., Minamisawa K., Arima Y., Yokoyama T.(責任著者)
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Journal Title
Soil Sci. Plant Nutr.
Volume: 60
Pages: in press
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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